江戸-昭和期を中心にしたひな人形77組640体を展示する「第10回ビッグひなまつり」が、兵庫県小野市立好古館(西本町)で開かれている。入り口すぐの場所に設置された幅9メートル、奥行き4メートル、高さ3メートルの大型ひな壇には、約600体のひな人形がずらりと並び、きらびやかな光景で入場者の目を引いている。4月4日まで。(杉山雅崇)
江戸初期、一柳氏が築いた小野藩陣屋町は、小野の中心として繁栄した。多くの旧家に貴重なひな人形が残っていたことから、同館が30年ほど前に収集を開始。その後、石野茂三館長が中心となり、2012年から展示を行っている。
会場でまず目に入る大型ひな壇には、7段や5段の段飾り、男びなと女びなを並べた親王飾りなど、多様に並ぶ。中でも、小野藩の家老の家に残されていた江戸後期のひな人形は貴重。女びなの頭上には、金属細工の美しい飾りが輝く。
大型ひな壇横に置かれた、大正期の2体のひな人形は、今回初めての出展。旧家に90年近く眠っていたが、十二単(じゅうにひとえ)や顔の状態は良好に保たれている。
同館の粕谷修一副館長は「どの人形からも、生まれた女の子を大切にする気持ちがあふれている。日本文化のいい面を味わってほしい」と話していた。
午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)。予定していた期間中の夜間開館とイルミネーションは、新型コロナの影響で中止。一般200円、小中学生100円。月曜休館。同館TEL0794・63・3390
