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600年以上の歴史があるとされる「ハメ塚」。マムシを恐れる農民たちの思いがしのばれる=小野市中島町
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600年以上の歴史があるとされる「ハメ塚」。マムシを恐れる農民たちの思いがしのばれる=小野市中島町
田園地帯で目立つハメ塚周辺の雑木=小野市中島町
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田園地帯で目立つハメ塚周辺の雑木=小野市中島町

 兵庫県小野市敷地町のコミュニティーセンター(コミセン)おおべの近くで、祠(ほこら)のような場所を見つけた。「ハメ塚」と書かれている。なんとも奇妙な名前だ。「ハメ」とはいったい、なんだろう? 市内の民話や伝承をまとめた冊子や、専門家への取材を行った。すると、ある「陰陽師(おんみょうじ)」の存在と、マムシを恐れる農民たちの切実な思いが見えてきた。(杉山雅崇)

 ハメ塚は、同市中央部の中島町にある。家屋や商店が点在する田園地帯の中に直径8メートル、高さ60センチの塚があり、周囲には雑木が生い茂る。

 同市文化連盟が同市の昔話を記した「ふるさと伝え語り」によると、塚の由来は数百年前までさかのぼるとされる。室町時代のある夏、中島町の周囲を洪水が襲った。この大水で大量のマムシが流れ着き、村人をかんでは殺していた。マムシのことを、北播磨地域の古い方言で「ハメ」というそうだ。

 困った村人は、ある旅人のつてで陰陽師「安倍晴休」を呼んだ。晴休の指示で塚を作ってハメを封じ込めたところ、村に平穏が戻ったという。

 郷土史に詳しい市立好古館(同市西本町)の石野茂三館長によると、「ハメ塚」は中島町以外にも点在しているという。

 石野館長は「昔はマムシ(ハメ)にかまれても治療法はなかったはず。マムシがいながらも農作業をせざるを得なかった農民たちの切実な思いが分かる」と分析している。

 あらためてハメ塚に取材に訪れた。周囲は掃き清められており、塚の入り口のきれいなコップには、水が供えられていた。時代は変わっても、農作業と集落の無事を祈る住民たちの心は、変わっていなかった。

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