兵庫県小野市の加古川沿いなどに広がる「おの桜づつみ回廊」が見ごろを迎えている。堤防沿いの一角にあるソメイヨシノが水面に映り込む人気スポット「逆さ桜」にも、多くの市民らが訪れ、幻想的な光景に見入っている。

　東条川から加古川にかけての左岸４キロに約６５０本が並ぶ「おの桜づつみ回廊」。回廊沿いの同市高田町にある約１７００平方メートルの水田では、地元の建築業小林衛さんが２０１７年から水を張っており、「逆さ桜」としてＰＲしている。

　並木が見ごろを迎えた春の風が弱い早朝、水面の揺らめきが静まると、堤防沿いに咲く薄紅色の花々が鏡のように映し出される。条件が整った２日、水田の周辺には早朝から写真愛好家たちが集まり、思い思いの場所でシャッターを切っていた。

　同市の男性（７３）は「風がぴたったっとやみ、絶好の撮影日和になった。今日来られた人はラッキーだね」と笑顔でファインダーをのぞいていた。（杉山雅崇）