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国の重要文化財に答申された西脇小学校の木造校舎=西脇市西脇
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国の重要文化財に答申された西脇小学校の木造校舎=西脇市西脇
今も学びやとして使用されている木造校舎=西脇市西脇
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今も学びやとして使用されている木造校舎=西脇市西脇
改修基本計画の策定に携わった神戸大の足立裕司名誉教授(右)と和田拓也校長
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改修基本計画の策定に携わった神戸大の足立裕司名誉教授(右)と和田拓也校長

 卒業生や地域住民らの愛着が染み込んだ学びやに吉報が届いた。21日、兵庫県西脇市立西脇小学校(同市西脇)の木造校舎が国指定重要文化財に答申され、保存活動に尽力してきた市民や専門家らは喜びに沸いた。和洋のデザインが巧みに織り交ぜられた校舎は老朽化などの理由から、取り壊しの危機にも直面したが、市民の熱意で存続。「これからも地域のシンボルに」。関係者は万感の思いを口にする。

 同校の木造校舎3棟は、地元出身の建築家内藤克雄さん(故人)によって1934~36年に建設された。屋根の勾配が途中で変わる「腰折れ屋根」の車寄せをはじめ、上品な洋風建築の意匠がちりばめられている。北播磨を代表する近代建築として映画のロケ地に使用され、昨年10月にはグッドデザイン賞、12月には県の「人間サイズのまちづくり賞」の知事賞に輝いた。

 老朽化による耐震性への懸念から、市などが取り壊しの方針を示したのは2013年。鉄筋コンクリートで新築する案に対し、卒業生や市民の一部が反対の声を上げ、「西脇小学校の木造校舎を想(おも)う会」を立ち上げた。

 メンバーの女性(52)は13年当時、同校に息子を通わせる保護者だった。「いすの脚にテニスボールを履かせて床を傷つけないようにするなど、古い物を大切にする価値観が校舎を通じて学ばれていた」。取り壊しの方針を神戸新聞の報道で知り、古き良き校舎を残そうと、会に名を連ねた。

 会はOBで絵本作家の吉田稔美さんを発起人とし、西脇市長に陳情書を提出するなどして民意を示した。中でも女性が「分岐点になった」と感じたのが、13年11月に開催した勉強会だったという。

 勉強会に招いた木造校舎の耐震補強に詳しい大学教授2人は「西脇小の耐震化は可能」と明言。会には市教委の職員も参加しており、風向きが変わる大きなきっかけとなった。

 校舎は17~19年に保存改修工事を行い、建築当時の面影を残しながらも耐震化やバリアフリー化を施された。「西脇小学校校舎基本計画検討委員会」の委員長として、工事の中心的な役割を担った神戸大の足立裕司名誉教授は重文指定答申の報を受けて同校を訪問。児童が元気に駆け回る様子を満足げに眺めた。

 足立名誉教授は教育環境と美観のバランスに最も心を砕いたといい、「古い姿を残しながら新しいニーズに応えることができた。僕たちが残したかったのは記念館ではなく、子どもたちの“母校”なのです」と目を細めた。(伊田雄馬)

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