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キャラクター「咲希(さき)」=咲希神谷稲荷明神社のツイッター
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キャラクター「咲希(さき)」=咲希神谷稲荷明神社のツイッター
キャラクター「瑞茅(みずち)」=咲希神谷稲荷明神社のツイッター
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キャラクター「瑞茅(みずち)」=咲希神谷稲荷明神社のツイッター
森見生副住職と本地堂。神仏習合の神道独特の祭祀を見ることができる=加東市栄枝
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森見生副住職と本地堂。神仏習合の神道独特の祭祀を見ることができる=加東市栄枝
山あいにある神谷山持明院。寺院の中に神谷稲荷明神社がある=加東市栄枝
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山あいにある神谷山持明院。寺院の中に神谷稲荷明神社がある=加東市栄枝

 「おひるやでぇ~」。かわいらしい少女のキャラクターが画面の中からつぶやいてくる。会員制交流サイト(SNS)ツイッターを閲覧していると、サブカルチャーの要素を盛り込みながら情報を発信するページに目が留まった。フォロワー数は4千近く。発信元は兵庫県加東市で、北播磨地域の主なツイッターでは最上位の数字だ。興味本位で発信元を訪ねてみると、そこは神仏習合の社。「サブカル」とは対極ともいえる、日本古来の宗教の思想を継ぐ僧侶が待っていた。(中西大二)

 加東市栄枝の山あいにその神社はあった。「神谷(こうだに)稲荷明神社」。高野山真言宗の神谷山持明院の中にある。そばにある神谷山禅瀧寺の塔頭(たっちゅう)で、伽藍(がらん)一体は約1400年前の建立とされる。寺院と囲む山からは神秘的な雰囲気が漂ってくる。

 「まずはお祈りください」。副住職の森見生(けんじょう)さん(38)が小さな鳥居などに囲まれた「本地堂」と呼ばれる祈りの場に案内してくれた。「ここは神仏習合の神道独特の祭祀(さいし)を見ることができるところ。神様の仏様としての姿をおまつりしています」と説明する。

 森さんによると、神と仏が一緒にまつられているだけでは、本来の意味での神仏習合とはいえないという。理論的に神仏の関係が体系づけられ、一つの思想として成り立っていることを指す。かつては宗派ごとに神道があったが、明治期の神仏分離で「神仏習合はほとんど消滅した」と森さんは説く。

 森さんは参拝者らに真言宗の神道の思想などについて解説する。だが、3年ほど前までは参拝者は皆無に近かった。「専門家だけの知識だけでは滅んでしまう」と、ネットを使って情報の発信を始めた。中でもツイッターがヒットした。

    ◇

 人気の背景には、二つのキャラクターの“出演”が大きい。「目を引くと同時に、身近に感じてもらうように」と森さん。キャラクターはお稲荷さんの使いのキツネ「咲希(さき)」と、弁天さんの使い白蛇の「瑞茅(みずち)」と呼ばれる。ともにポーズを変えて登場、特に咲希の方は神社の情報などを播州弁でつぶやく。

 現在は新型コロナウイルスの影響で参拝者は減ってはいるが、開設後、フォロワー数の上昇と比例し全国から訪れるようになった。森さんは「気軽に来てもらいたくて。知ることから信仰が始まることもあります。みなさんよく話を聞いてくれますよ」と目を細める。

 ツイッターでは観光など地域の情報も発信する。訪れた参拝者へ地元の名所を紹介することも。「せっかく足を運んでもらったので。加東のことも知ってほしいですから」

 一方、キャラクター目的の参拝者は多いものの、現地では前面に出すことはない。「本末転倒にならないように。本当に伝えたいのは真言宗における神道の思想。ここは信仰の場であり、聖地です」。キャラクターを描いた御朱印帳も販売されているが、ひっそりと置かれている。

 これからもネットを活用しつつ伝統を継ぐ僧侶として、森さんは「バランス感覚を大切にし発信していきます」と話している。

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