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20年間の紅茶生産を終えた今中照子さん(右)と今中英津子さん=多可町加美区箸荷
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20年間の紅茶生産を終えた今中照子さん(右)と今中英津子さん=多可町加美区箸荷
ダージリンのような香りが特徴のはせがい紅茶
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ダージリンのような香りが特徴のはせがい紅茶

 兵庫県多可町加美区の箸荷(はせがい)地区でつくられ、知る人ぞ知る特産品だった「はせがい紅茶」が今シーズン限りで生産を終了した。生産する農家の女性が高齢化し、摘み取り作業の負担が大きくなったため。20年間活動した「箸荷紅茶の会」も解散することになり、代表の今中照子さん(77)は「さみしいが、体力的にも限界。最後の紅茶を味わってほしい」と話す。(伊田雄馬)

 今中さんらは2002年、集落に特産品を生もうと同会を立ち上げた。「近くの山には茶の木が自生し、昔は家で使う茶葉を摘むのが当たり前だった」といい、今中さんが所有する4アールの農地を使って栽培した。

 生産には各地で紅茶づくりを指導し、「地紅茶研究家」の肩書を持つ藤原一輝さんの助けを借りた。油かすやぼかしなどの有機肥料を使って無農薬で生産した茶は、フルーティーな香りを持つダージリンに似た風味という。

 丹精した紅茶は道の駅や農産物直売所だけでなく、神戸市内の百貨店にも並び、町のPRに一役買った。一方でメンバーの入れ替わりは進まず、高齢化に伴い、立ち上げ当初約20人いたメンバーは10人に半減。生産量も最盛期の年間千パックから4分の1に減ったという。

 毎年5月、メンバーが世間話を楽しみながら茶を摘む姿は集落の風物詩だった。今中さんは「やりたい人がいれば後を継いでほしいけど…」と残念がる。生産終了のうわさは広がり、今中さんの耳には、紅茶を定番メニューにしていた地域の喫茶店などから嘆きの声が届いている。

 老木化した茶の木は今冬にも伐採する。「お疲れさんやったねぇ」。二番茶が芽吹く枝先を優しく見つめ、今中さんがそうつぶやいた。

 本年産のはせがい紅茶は260パックを発売し、1パック30グラム入りで600円(税込み)。1パックでカップ10~15杯分。町内の「道の駅・杉原紙の里 多可」や「ラベンダーパーク多可」などで販売している。

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