その店の異質さに気付いたのは、夕食に焼き肉を食べようと思いついた日のこと。西脇産の牛肉を買おうと「日の出精肉店」(兵庫県西脇市黒田庄町喜多)に足を踏み入れると、肉を入れるガラスケースがすべて空っぽだった。「薔薇(ばら)のない花屋」ならぬ「牛肉のない精肉店」。唯一の商品は店主の飛田(ひだ)春子さん(80)が、炭火で焼き上げる焼き豚だという。6年前に夫を亡くしてからも守り続ける味と人柄が地域に愛されている。(伊田雄馬)
長崎生まれ、大阪育ちの春子さんは30歳のころ、5歳上の雅志さんと結婚し、西脇に移り住んだ。農協勤めだった夫は、知り合いから譲り受ける形で精肉店を開業。それから約40年、店を切り盛りしている。
春子さんの目に映る雅志さんの商いは愚直そのもの。地元のブランド牛「黒田庄和牛」を畜産農家から1頭丸ごと仕入れ、手頃な値段で店頭に並べた。「こんなええ肉買わんでええじゃろうが」と春子さんとけんかになることもあった。「ええ牛と目が合うと買うてまう。商売下手やったね」と愉快そうに振り返る。
仕入れや肉の切り分けなどの重労働は雅志さんが担当し、春子さんは焼き豚の製造を受け持った。焼き豚は人気で、盆や正月には注文が殺到し「2晩くらい寝ずに働いた」ことも。二人三脚で営業を続けていたが、雅志さんが6年前、年末の繁忙期に突然倒れて帰らぬ人に。精肉の販売を諦めざるを得ず、店頭に並ぶのは春子さんが作る焼き豚のみとなった。
国産豚の肩ロースを筋切りし、砂糖としょうゆ、みりんを合わせたたれに一晩漬け込む。朝8時ごろから、専用の窯に入れて炭火で約2時間あぶる。朝に焼いた豚が昼前にほとんど売り切れると、「もうちょい焼こか」と腰を上げる。
ドラム缶のような窯。内側上部には円形の棒が付いており、肉に通したフックを引っかけ、洗濯物のように12枚をつるしていく。底の中央にはくぼみがあり、炭を置いてバーナーで着火。遠赤外線でじっくりと熱された肉からは余分な脂が落ち、焼き上がり前の6割ほどの重さに仕上がる。
暑そうな表情の春子さんが、すすで真っ黒になったうちわを手に風を送る。火が落ち着くと、たちまち香ばしい香りが広がった。「近くの電柱に上って工事していた作業員が『腹が減って仕事にならへん』と買っていったこともあったな」と呵々(かか)と笑う。
おすすめの食べ方はどんぶり。自宅に戻って、ご飯の上に千切りのキャベツとスライスした焼き豚を載せ、春子さん手製のたれをたっぷり掛けて食べてみた。炭火の香ばしさとほどよい歯応えに箸が進む。「もう1枚買えば良かった」。どんぶりの底を見ながら思わずつぶやいた。
午前8時~午後7時(焼き豚は午前10時ごろから販売)。水曜休み。売り切れ次第終了で、100グラム420円(税込み)で1枚売り(1枚300~700グラム)。電話予約、地方発送可能。同店TEL0795・28・2828

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