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前年比4割の生産減となるなど苦境が続いている播州織=西脇市西脇
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前年比4割の生産減となるなど苦境が続いている播州織=西脇市西脇
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■コロナ後へ、求められる転換

 「春夏物の受注が始まる秋ごろにはコロナが落ち着き、営業活動が再開できるはず」

 兵庫県西脇市の地場産業、播州織の発展を祈願し、7月末に西脇市内の神社で開かれた「織物感謝祭」。厳しい暑さの中、スーツ姿で着席する播州織関係者ら約30人に向かい、北播磨地場産業開発機構の斎藤太紀雄理事長は語り始めた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で衣料品の需要が大きく減退したことが響き、播州織は2020年度、前年比4割近い減産を余儀なくされた。「非常にショッキングな数字だった」。斎藤理事長の言葉に重苦しさが漂った。

 播州織の「地盤沈下」は長い年月をかけて進んできた。同機構の統計によると、生産額900億円台に乗せた1980年代後半から90年代前半をピークに減少が続き、2019年度には約146億7千万円に。さらに新型コロナの影響を受けた20年度は約89億7千万円と、全盛期の10分の1まで落ち込んでいる。

 統計を開始した1970年には約1万1千人に上った従業員数も今や約500人ほど。かつて多くの労働力を必要とし、四国や山陰などから人口流入を生んだ播州織産業だが、雇用の創出力はわずかとなった。

 市は生産から販売までが一貫するイタリアの織物産地、ビエラ地区を参考に付加価値型の産業へ転換を目指す。「ファッション都市構想」を掲げてデザイナーの卵を育成。本年度は大手セレクトショップを運営する「ビームス・ジャパン」と市内8社が商品を開発した。

 ただ、播州織メーカーがデザイン力や販売網を身に付けるには長期的な取り組みが必要。市役所で開かれた報告会で、「ビームス・ジャパン」のディレクターは「一度だけでは意味がない。継続的な取り組みを」と求める。

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 西脇商工会議所が今年3月、市内約70社に対して行ったアンケート調査では、約95%の企業が「新型コロナの影響が出ている」「今後出る可能性がある」と回答。資金繰りへの影響を懸念する声も目立った。

 市内に支店を持つ金融機関の支店長は「顧客からは『市は播州織の振興にばかり力を入れている』という声も聞こえてくる」と明かす。

 市のシンボルである播州織に代わる産業が育たない中、地域経済の減速に対し、どのように立ち向かうのか。「アフターコロナ」を見据えた、新たな4年間が始まろうとしている。(伊田雄馬)

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