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コロナ禍で臨時休業しているマイスター工房八千代=多可町八千代区中村
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コロナ禍で臨時休業しているマイスター工房八千代=多可町八千代区中村
大量の巻きずしが並び、活気に満ちていた昨年の節分前=2021年2月、多可町八千代区中村
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大量の巻きずしが並び、活気に満ちていた昨年の節分前=2021年2月、多可町八千代区中村

 名物「天船巻きずし」で知られるマイスター工房八千代(兵庫県多可町八千代区中村)で新型コロナウイルスの感染者が相次ぎ、2月3日の節分を前に臨時休業が続いている。昨年は節分に向け、恵方巻き約1万3千本を生産したが、今年はすべての予約をキャンセル。自身も感染した施設長の藤原たか子さん(74)は「こんなことは初めてなので、本当に残念。感染対策は十分にしてきたつもりだったが…」と声を詰まらせる。

 濃い味付けのシイタケやかんぴょう、キュウリ、卵焼きなど5種類の具が入る「天船巻きずし」。通常でも1日1500~2千本が売れ、全国的な知名度を誇る。節分には例年、普段の10倍となる1万5千本前後を夜を徹して巻き上げ、京阪神の百貨店などに並ぶ。今年も約1万3千本を生産する予定で材料などを準備してきたという。

 1月中旬以降、多可町内では連日、コロナ感染者が発生し、同施設では24日ごろに最初の感染者が判明。その後も従業員の家族が感染するなど、書き入れ時にコロナ禍に見舞われた。

 濃厚接触者となった藤原さんも26日に喉の痛みを感じ、37度の微熱が出た。その後も一人、また一人と喉の痛みなどを訴え、瞬く間に10人近くの陽性が判明。「お客さんにも材料の生産者にも迷惑を掛けるけど…」と断腸の思いで、1月28日から臨時休業を決めた。

 藤原さんは持病があったため入院し、症状がない従業員は予約主にキャンセルを伝えた。「残念やけどお大事に」「よく決断しましたね」。電話越しに掛けられる言葉は温かく、藤原さんのスマホには臨時休業を知った知人から、励ましのメッセージが多数届いたという。

 約8千本を確保していた材料のキュウリは、取引先で買い手が見つかるなど、周囲にも助けられたといい、藤原さんは「人の温かみを感じた。今月中ごろに営業再開できたら、お礼のイベントも企画したい」と話している。(伊田雄馬)

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