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レトロな店内。穏やかな時間が流れる=小野市市場町
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レトロな店内。穏やかな時間が流れる=小野市市場町
「もう50年、という感じ」。開業50周年を迎えたコーヒーハウス四季の永井和男さん=小野市市場町
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「もう50年、という感じ」。開業50周年を迎えたコーヒーハウス四季の永井和男さん=小野市市場町

 兵庫県小野市市場町の喫茶店「コーヒーハウス四季」が開業50周年を迎えた。天井に光る色ガラスの装飾やレンガ造りの側壁、年季の入った椅子やテーブルは、まさしく昭和の純喫茶。地域住民の憩いの場として、店内は連日多くの常連客で埋まる。半世紀の月日を超えた交流に、店主の永井和男さん(71)は「あっという間の50年。体調がいいうちは続けます」と語る。(杉山雅崇)

 開店は1972(昭和47)年3月。同年には札幌冬季五輪が開かれ、東京・上野動物園のパンダには行列。小柳ルミ子やビリー・バンバンがヒット曲を飛ばした時代だ。

 一家が営んでいた会社の土地が余っていたことから、大学生だった永井さんが店を開いた。世は全国的な喫茶店ブームだった。

 当時、国道175号が店の横を通っていた。渋滞が毎日発生するほどの交通量。「いちげんさん」がよく訪れ、店は活況を呈していた。やがて現在の175号が開通すると、新規の客は減ったが、落ち着いた店には多くの常連が居着くように。「静かになったけど、その分親しまれるお店になったのでは」と永井さんは振り返る。

 店はいつも穏やかな雰囲気に包まれている。開業当初から通い続けてくれるお客さん。1日に2~3回も来店してコーヒーをすすっていく人も。おしゃれなランプが照らす店内で、それぞれが思い思いの時間を過ごす。

 コロナ禍になり、若い客も増えた。永井さんは「テレワークの影響かもしれないね」と笑う。昨今の純喫茶ブームも影響し、SNSを見て訪れる若者もいるという。

 常連客に「もうそんなたったんか」と、50周年を祝福される。それぞれの半世紀と共に「四季」はずっとあり続けた。永井さんは「お客さんに感謝したい。いつやめるか分からないけど、まぁやれるだけはやります」と語り、いつものように調理場に向かった。

 午前7時半~午後5時(ラストオーダーは午後4時半)。火曜定休。四季TEL0794・62・6585

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