ペンを握りしめ、胸が震えた。7月末に神戸市内であった全国高校野球選手権兵庫大会の決勝を制し、夏の甲子園初出場を決めた社(兵庫県加東市)。悲願達成に沸くスタンドで、感極まったOBの一人がデイリースポーツ記者の井上慎也さん(30)だ。翌日紙面に万感のコラムを掲載した。社は9日に初戦に臨む予定。井上さんは「甲子園で母校を取材できる日が来るなんて」と驚きつつ本番を心待ちにする。(初鹿野俊)
同県小野市出身。小野中時代は好投手で鳴らした。強豪私学から声がかかる中、「自宅から通えて練習設備も整っている」と、2007年に県立の社に入学した。
切れのあるスライダーで勝負する技巧派左腕が頭角を現したのは2年の春。上級生を差し置いてマウンドを任され、県大会では、その年の選抜大会4強の東洋大姫路などを相手に全試合を投げて優勝した。夏は兵庫大会で8強に入った。
中心選手として臨んだ最後の夏は準決勝敗退。聖地に迫ったが「甲子園は目標というより夢」と悔し涙は出なかった。
進んだ関学大で野球を続けながら、母校の動向も気にかけ、時折グラウンドを訪ねた。就職では、自分の記事を両親が切り抜いてくれていたことをきっかけに「人の思い出を残す仕事」に魅力を感じ、デイリースポーツの記者になった。
阪神タイガースを担当する「トラ番」などを経て今年1月、高校野球などを取材するアマチュア野球担当に就いた。社は21年秋の県大会を制覇。「高い投手力に打撃がかみ合えば」と夏の悲願を期待し始めた。
とはいえ立場上、ひいきはできない。担当する範囲も北陸から中四国と広い。各地の強豪校の取材が優先され、母校については中継で確認するしかなかった。
過去9度、4強の壁に阻まれてきた社は初めて準決勝を突破した。しかも雨で日程がずれ、他県の試合がほとんどない日に決勝が組まれた。「導かれるように」取材に向かった。
延長タイブレークにもつれる決勝に力が入った。十四回、決着がつくと速報の原稿を送り、三塁側スタンドに急いだ。校歌を聞く。むせび泣く先輩に感化されたのか、三十路(みそじ)を迎えたせいか、こみ上げた。プロ意識で涙をこらえ、両校を取材した。上司の勧めで書いたコラムでは、母校の初優勝を「記者冥利(みょうり)に尽きる」とし、選手に「夢の舞台に立ちさらに成長するに違いない」とエールを送った。
04年選抜大会で4強に進み、近本光司(阪神)らプロ選手も輩出する名門ながら全国紙では「やしろ」とルビが振られる。「まだ知られていない。全国の人が覚えるぐらい勝ち進んで」。記者席から静かに祈る。

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