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兵庫県畜産共進会で1500万円の値が付いた「ななこ」=西脇市黒田庄町前坂
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兵庫県畜産共進会で1500万円の値が付いた「ななこ」=西脇市黒田庄町前坂

 10月末に兵庫県淡路市で開かれた県畜産共進会で、川岸牧場(同県西脇市黒田庄町前坂)が肥育した雌牛「ななこ」が、同会での過去最高額の1頭1500万円で落札された。同牧場のグループ会社「川岸畜産」の川岸正樹社長が「地元の人に食べてほしい」と買い戻し、21日から市内で経営する焼き肉店でも提供するという。(伊田雄馬)

 川岸牧場は創業約70年で、雌牛のみを肥育して年間約180頭を出荷する。出荷する牛は全頭を川岸畜産が購入して自社の精肉店で販売するほか、焼き肉店でも提供する。

 「ななこ」は同県洲本市の繁殖農家から仕入れ、肥育した牛の1頭で、月齢は38カ月。大きさは同社がこれまで育てた牛に比べても「別格」(川岸社長)で、通常650キロ程度にしかならないところ、共進会の時点で738キロまで増量した。

 「大きさだけでなく、サーロインやリブロースとなる背中の張りが素晴らしい」と評価。体形や肉付き、骨格などを厳しく審査される県畜産共進会の競り場でも、競売が始まる前から競り人が「圧倒的」と感嘆の声を漏らしたという。

 雌牛の相場は高くても300万円ほど。競売の開始前から「1千万円は超える」と見ていた川岸社長だが、実際は想像を大きく超えた。200万円から始まった価格はすぐに500万となり、1千万円に達しても入札は続いた。「高くても買うと決めていた」という川岸社長が落札できたのは1500万円という破格だった。

 「日々の管理が実を結んだ」と川岸社長。肉は店頭ではなく、オンラインショップで販売し、部位によって100グラム1万~1万5千円。焼き肉店「肉料理 樹」での提供は2人前4万4千円からの予定。「いい肉だからこそ、地元の人に一口でも食べてほしい」と話している。

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