兵庫県多可町は町をＰＲする「ふるさと親善大使」を新設し、プロ野球巨人の大勢（たいせい）（本名・翁田大勢）投手に委嘱することを決めた。同町出身の大勢投手は、プロ１年目の今季、セ・リーグの新人王に輝いた逸材。地元から誕生したスター選手を初代大使に任命し、町の魅力発信を期待する。（伊田雄馬、長沢伸一）

　ふるさと親善大使は、文化やスポーツ、産業などの各界で活躍する町出身者か、町にゆかりのある人物から選ぶ。委嘱後は大使の日常的な活動の場で多可町をＰＲし、町が実施する行事に参加するなどして町の広報に協力する。

　同町八千代区生まれの大勢投手は、小学１年生の時に地域の少年野球チームに入団。西脇工業高校（同県西脇市）、関西国際大（同県三木市）を経て、昨年のドラフト会議で巨人に１位指名された。１年目から抑え投手として活躍。５７試合に登板し、プロ野球新人記録に並ぶ３７セーブをマークし、セ・リーグの新人王に選ばれた。

　大勢投手の活躍に町は盛り上がり、役場では今季の活躍を振り返るパネル展を開催。会場では、新人王を祝う垂れ幕も掲示し、町ぐるみで偉業を祝福している。

　町は、年内に大勢投手を招き、親善大使の任命式を実施する計画。また、スポーツ、文化の全国大会へ進んだ町民らに贈る「かがやき多可賞」も同時に授与する。町企画秘書課は「（親善大使は）大勢投手のために新たに設けた肩書き。来季以降も活躍し、多可町の知名度アップに貢献してほしい」と期待を込める。

　一方、母校の関西国際大は現時点でセレモニーなどを予定していないが、濱名篤学長は「彼は苦労したこと、努力したことを子どもたちに聞いてもらえる選手になりたいと話していた。子どもたちの目標となる選手になれるよう、さらに前進してもらえるよう期待します」と祝福している。