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そろばん競技大会で真剣な表情を見せるトンガの子どもたち=トンガ王国(前田大志さん提供)
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そろばん競技大会で真剣な表情を見せるトンガの子どもたち=トンガ王国(前田大志さん提供)
前田大志さん
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前田大志さん
にこやかな表情を浮かべるトンガ国民=トンガ王国(前田大志さん提供)
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にこやかな表情を浮かべるトンガ国民=トンガ王国(前田大志さん提供)

 兵庫県小野市が12年前から取り組む「そろばんリユース事業」で、海外に寄贈した中古そろばん約1万丁のうち、9割が南太平洋のトンガ王国に届けられている。現地の小学校ではそろばんが必修科目で、子どもたちは毎日、小野市から贈られたそろばんをはじいている。国際協力機構(JICA)海外協力隊員として、トンガでそろばんを教えた前田大志さん(26)は、小野市の取り組みに深く感謝している。(杉山雅崇)

 前田さんは愛知県出身。貧困や格差問題への関心があり、海外協力隊に応募した。幼少期からそろばんを習っていたことから、トンガへの派遣が決まった。2017年に短期隊員としての経験を積み、19~20年に再びトンガに赴任した。

 トンガでは小学3~5年でそろばんが必修単元。前田さんによると、きっかけは30年以上前、トンガ政府高官と日本人のそろばん指導者が飛行機内で出会ったこと。そろばんによる学習効果が当時の国王トゥポウ4世に伝わり、小学校での導入が決まったという。

 前田さんは日本の文部科学省にあたるトンガ教育訓練省の一員として、現地の教員や子どもたちにそろばん教育をアドバイス。印象に残っているのは、そろばん競技大会といい、教え子に良い結果を出してもらおうと、付きっきりで指導した。大会での好成績に、手をたたいて喜ぶ子どもたちの顔を見るのが何よりうれしかったという。

 小野市のリユース事業がそろばん教育を後押しし、前田さんは「小野市のそろばんがなくては成り立たない。贈られてきたそろばんを、たくさんの子どもたちが使っているんです」と感謝する。

 前田さんは現在、オーストラリアの大学院で地域間協力について学んでいる。「トンガをはじめ太平洋の島々と関わっていきたい。そろばんがつないだ縁を大切にしたいです」と意気込んでいる。

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