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シキミを掲げ「うばらばら」と唱える参拝者=多可町八千代区下三原
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シキミを掲げ「うばらばら」と唱える参拝者=多可町八千代区下三原

 五穀豊穣(ほうじょう)などを祈る正月の伝統行事「雨散散(うばらばら)」が1日、兵庫県多可町八千代区下三原の貴船神社であった。約50人が参加し、シキミを高く掲げ「うばらばら」と唱えた。

 江戸時代に干ばつに苦しむ下三原地区の人々が八幡大菩薩(ぼさつ)に雨乞いをしたのが起源とされる。毎年元旦に行い、氏子が交代で「村神主」2人を務める。

 参拝者はまず、藤カズラで作った三つの輪と半紙で包んだ洗米をシキミにくくり付けた。元々は、米農家が三つの輪に「米が1反3石とれるように」との願いを込めていたとされる。少子高齢化に伴い、女性や若者らも参加し、地区全体で継承できるように「三つの願い」に改めた。

 村神主が祝詞を奏上すると、もう1人の神主が「お祝い申す」と言いながら、集まった参拝者に向かってお神酒を振りかけた。参拝者はシキミを振り上げ「うばらばら」と唱え、これを3回繰り返した。最後に供え物の米を一人ずつ受け取った。

 同地区の谷位伯享区長(65)は「新型コロナウイルス下でも中断することなく続けてきた伝統で、みんなに親しまれている。村が繁栄してくれたら」と願っていた。

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