兵庫県小野市立河合中3年の佐々木カーンマックス・ロハンさん(15)が、第41回全国中学生人権作文コンテスト兵庫県大会(神戸新聞社など主催)で入賞した。パキスタン出身の父とブラジル出身の母の間に生まれたロハンさん。「当たり前ではない」と題して、日本、パキスタン、ブラジルと三つのルーツを持つ自分自身の経験をつづった。
今回のコンテストには、県内の297校から8万4767点の応募があった。審査の結果、最優秀賞5点と、ロハンさんが受賞したラジオ関西賞を含む審査員特別賞7点が選ばれた。
ロハンさんの作文は、関西国際空港での場面から始まる。他の日本人が次々と出国手続きを終える中、なぜかロハンさん一家は1時間以上待たされた。
父のカーンさんはつぶやく。「昔な、アラブ人が空港でテロを起こした。だから私みたいなパキスタン人は信用がないと思うんだ」。ロハンさんは「とても悲しかった」と記す。
母の母国、ブラジルでの体験も印象的だ。ロハンさんはブラジルには、貧困のため学校に行けない家庭がたくさんあることを教わった。また、子どもたちの「非行」が暴力、麻薬、殺人などに及ぶことも衝撃だった。
それらを知ったロハンさんはこう表現した。「日本の中学生は『学校がだるい』などと言う。でも、ブラジルでは言わない。学校に行くことは当たり前ではないからだ」
理解ある生徒や教師のおかげで、小野市の生活で生きづらさを感じたことはあまりない。だが、見た目で判断され「外国人なのに」と言われたこともある。また、ブラジルで日本人の容姿を馬鹿にするジェスチャーをされたのにも腹が立った。
ロハンさんは「違うルーツを持つ両親を誇りに思っている」と語る。18歳になれば日本、パキスタン、ブラジルの中から国籍を選び、イスラム教やキリスト教などの中から宗教も決めることになる。重い選択だが「生き方を自分で選択できるのは素晴らしいこと」と前向きに捉えている。
将来の夢は、父の母国パキスタンで日本式の農業を広めることだ。「農業の発展が遅れているパキスタンに、日本の農業技術を広めたい。家族と一緒に農業に取り組むのが夢ですね」。三つのルーツを持つ少年は目は輝かせた。
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