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広場でのんびりとくつろぐアルパカ=西脇市比延町、「タマキニイメ」
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広場でのんびりとくつろぐアルパカ=西脇市比延町、「タマキニイメ」
取材の数日後、西脇市に到着したポニーに目を細める玉木新雌社長=西脇市比延町、「タマキニイメ」
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取材の数日後、西脇市に到着したポニーに目を細める玉木新雌社長=西脇市比延町、「タマキニイメ」
敷地内で動物を飼育している「タマキニイメ」=西脇市比延町
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敷地内で動物を飼育している「タマキニイメ」=西脇市比延町
神戸新聞NEXT
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 まるでここは動物園!? 兵庫県西脇市の播州織ブランド「タマキニイメ」の工房兼店舗の敷地内で、さまざまな動物が飼育されている。ここ2年ほどで徐々に増え、ヤギやヒツジ、イヌのほか、2月には6頭のアルパカが仲間入り。「ものづくりの原点に立ち返るため」という玉木新雌(にいめ)社長(44)のアイデアが元で、動物たちがのんびりとくつろぐ風景が来店者を和ませている。(伊田雄馬)

■敷地1300坪、和む顧客

 旧式織機の音が響く工房のすぐ近くで、ヤギがのんびりと草をはむ。広場では一群のアルパカがひなたぼっこしたり、寝そべったりとリラックス。その近くをちょこまかと駆ける2羽はニワトリかと思いきや、黒いウコッケイだとか。

 「タマキニイメ」は、デザイナーの玉木社長が手がける肌触りの良いショールなどで人気のブランド。糸の染色から織り、縫製までを自社で手がける、分業が一般的な産地の中ではまれな存在だ。2004年の設立以来、播州織の知名度アップに大きな役割を果たしてきた。

 玉木社長が「タマキニイメ村」と呼ぶ工房兼店舗は、庭などを含めて約1300坪。市内の別の場所から16年に移転した。同社のブランド哲学を反映する拠点として、稼働する織機を間近で見学することもできる。

■服づくりの原点か社長の趣味か?

 そんな施設で飼育する動物が増えたのは、ここ2年ほどのことだ。広報担当の藤本隆太さん(35)によると、最初に購入したのは2匹のイヌで、次に3匹のヒツジ、2匹のヤギと徐々に仲間入りした。

 もともと同社は綿花などの栽培に力を入れてきた。洋服づくりの原点につながっているから-というのが理由。動物の飼育も、その延長線上にある。

 担当するのは「農業チーム」の社員6人。綿花栽培と並行し、慣れない動物の世話に奔走している。チームの1人、入社4年目の福森詳子さん(30)は「次々に増えるので大変だが、かわいくて愛着が湧く」と話す。

 5月ごろには、高級ウールの原料となるカシミヤヤギも導入する予定。社員はヒツジの毛刈りを六甲山牧場で教わり、少量にはなるが、自社生産のウールを使った商品の販売も検討しているという。

 「自分たちの作っている生地の原料がどのように生まれてくるのか、説教っぽくない形で顧客に伝えることができる」。藤本さんの説明は熱を帯びる。

 そこまで聞き、社内に発案者の玉木社長の姿が見えないことに気付いた。行き先を藤本さんに問うと、思いがけない答えが返ってきた。

 「玉木は今日、北海道で馬の競売に参加しています。どうも、馬車で移動したいそうで…」

 「やはり、個人的な趣味では?」という疑問が、胸をかすめた。

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