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カットした37センチの髪12束を持つ島村大輝さん(島村有香さん提供)
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カットした37センチの髪12束を持つ島村大輝さん(島村有香さん提供)
3年以上伸ばした島村大輝さんの髪の毛にはさみを入れる父・一弘さん(島村有香さん提供)
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3年以上伸ばした島村大輝さんの髪の毛にはさみを入れる父・一弘さん(島村有香さん提供)
髪をカットする直前の島村大輝さん(島村有香さん提供)
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髪をカットする直前の島村大輝さん(島村有香さん提供)

 病気などで髪を失った人に医療用ウィッグ(かつら)を提供する「ヘアドネーション」に協力しようと、兵庫県加東市の社中学校1年、島村大輝さん(12)が、3年以上伸ばした髪を寄付した。社小3年のときにがん患者と出会ったことをきっかけにヘアドネーションへの挑戦を決意し、家族も協力して背中まで伸びた髪をケア。大輝さんはカットした37センチ12束を手に持って重みを確かめ、「病気の人の役に立ってほしい」と願いを込めた。(岩崎昂志)

 大輝さんがヘアドネーションを知ったのは小3の冬。母の有香さん(45)と、がんを患う知人家族宅を訪れた際、治療で髪の毛を失った姿を見た。

 「お金はないけど何かしたい」。人前では寡黙な大輝さんの言葉に、有香さんは「ヘアドネーションという方法があるよ」と提案。その日から小学校卒業まで、髪にはさみを入れない日々が始まった。

 有香さんや父一弘さん(56)は「女の子に間違われるかもしれないよ」と気にかけ、実際に間違われることもあったが、大輝さんは平気だった。むしろ「また間違われたわ」と面白がる様子だったという。

 ただ、毎日のケアは大変だった。伸びるほどに洗髪や乾燥に手間がかかり、くしを買い替えた。髪を束ねるのも苦労したが、練習してすっかり上達した。

 中学校に進学した今月、部活動に興味を抱いたことから「切ろかな」と決心。入学式直前、ヘアドネーションに取り組む同市下久米の理容店「K’sヘアデザイン」を家族で訪れ、有香さんや一弘さんが最初にはさみで切った。髪は、加東ライオンズクラブを通じて専門団体に贈られた。

 耳にかかるぐらいのヘアスタイルになった大輝さんは「(カットした髪の束を持つと)重たかった。友達にはすぐに(変化に)気付かれたけど」と話し、すっきりとした表情だ。有香さんは「毎日よく頑張って伸ばしたと思う。男女関係なく、こうした取り組みがあると知ってもらえれば」と話した。

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