兵庫県知事選
7月1日告示 7月18日投開票
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連合兵庫会長・福永明氏
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連合兵庫会長・福永明氏

■誠実な人柄周知徹底図る

 -連合は知事選(7月18日投開票)に立候補予定の前副知事、金沢和夫氏(64)を推薦した。理由は。

 「副知事として、連合が重視する雇用と生活の確保を常に意識し、取り組む姿に接してきた。新型コロナウイルス対応では、3月まで県の対策本部の事務総長を務めた経験もあり、コロナ禍で明らかになった課題に向けて、的確な政策を期待できると思う」

 -金沢氏の印象は。

 「私が連合兵庫の事務局長に就任した2013年当時、副知事2人のうち、産業労働の窓口を担当するのが金沢さんで、連合の会合にもよく参加してもらった。誠実で極めて人の話をよく聞く人。現場がどうなっているか、常にアンテナを張っているんだろう」

 -金沢氏に対して、どのような支援をするか。

 「連合内の『抑え』に専念する。連合兵庫には約1100の労働組合、約28万人が加盟しており、われわれは組合員やその家族に金沢さんの周知徹底を図る。コロナで大規模な集会ができず、役員が組合員との対話で浸透を図っていくほかない。近隣府県へ通勤する人も多いので、近隣の地方連合会にも協力を求める」

 -連合兵庫はこれまで井戸敏三知事(75)の選挙を支援してきた。違いはあるか。

 「5期務めた井戸さんは知名度抜群だが、金沢さんはあくまで新人。自治労や教職員組合は副知事だった金沢さんを知っていると思うが、民間の労働組合は金沢さんに会う機会がほとんどなかった。浸透がなかなか大変だと考えている」

 「先日、宝塚市であった県議補欠選の投票率はたった28%。ショックだった。コロナ禍で長く辛抱してきた今の状況で、ポストコロナに向けて思いを託せるのは政治家やないかと。組合員にアンケートをしても投票率が年々低下している。投票率を上げる運動をしていかないといけない」

 -連合と関係がある立憲民主党県連は、金沢氏を支援していくと表明した。

 「良かったと思っている。基本的に労働団体は政党や政治家に何かを指示する立場にはないが、やっぱり産業別労働組合(産別)と組織内議員で同じ候補者を応援する方が組合としてもやりやすい。連合兵庫が推薦する地方議員には無所属の人も多いので、その人たちにも(金沢氏の推薦を)周知していく」

 -一方、立民や国民民主党などの県議が所属する会派「ひょうご県民連合」は4月、斎藤氏を支援する方向でまとめると発表した。

 「一定の方向性を示しただけで、各議員の意向を縛っているわけではないと聞いている。われわれがああしろ、こうしろと言うことではない」

 -自民県議団が分裂しており、これまでの知事選とは違う構図となっている。どう見ているか。

 「あまり意識してない。保守分裂は自民内の事情で、政局うんぬんの話は連合内部でもしていない。われわれがやるべきことは連合の中で、金沢さんの名前を組合員に浸透させるだけ。まじめに組織内周知をやっている」

 -日本維新の会も自民に相乗りで前大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)を推薦した。

 「それは金沢さんの選挙に関係のないこと。維新だからっていうことではなく、是々非々。維新と付き合いは全くないし、実は斎藤さんの政策もよく知らないので、評価もできていない。あいさつに来られたことはなく、新聞の折り込みで斎藤さんのチラシを見たのが初めてだった」

 「自民や維新が斎藤さんを推薦したことについて、連合はコメントする立場にない。それは金沢さんを支援する自民県議の32人も同じで、われわれがどうこう言うことではない。僕らは純粋に、雇用と生活のために県をリードしてくれる首長を選びたい」

(聞き手・長谷部崇、撮影・中西幸大)

【ふくなが・あきら】1981年、新日鉄広畑(現・日本製鉄瀬戸内製鉄所広畑地区)に入社。労組の書記長や組合長などを歴任。12年から基幹労連兵庫県本部委員長に就いた。13年から連合兵庫事務局長、19年から同会長を務めている。58歳。

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