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新年の抱負を書いた色紙を手に笑顔の藤井聡太王位(右)と里見香奈女流王位=関西将棋会館
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新年の抱負を書いた色紙を手に笑顔の藤井聡太王位(右)と里見香奈女流王位=関西将棋会館
神戸新聞NEXT
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藤井聡太王位
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藤井聡太王位
里見香奈女流王位
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里見香奈女流王位

 将棋の王位戦、女流王位戦(いずれも神戸新聞社主催)の覇者による新春恒例の「王位・女流王位記念対局」(お好み対局)をお届けします。関西将棋会館(大阪市福島区)で行われた藤井聡太王位(19)と里見香奈女流王位(29)の対戦をお楽しみください。藤井王位は豊島将之九段(31)=尼崎市=の挑戦を4勝1敗で退け王位防衛を果たしました。里見女流王位は「第32期女流王位戦5番勝負」で、山根ことみ女流二段(23)を破って、女流棋界単独1位となる44期目のタイトル獲得を決めました。両者の対局は、里見女流王位の中飛車に、藤井王位が急戦で攻めかかります。

 本局直前、両者による対談が行われた。時折、藤井聡太王位と里見香奈女流王位から笑みがこぼれる場面もあったが、対局直前に空気は一変した。新春向け対局であっても、将棋界を代表する2人が向かい合う緊張感は公式戦と変わらない。特に「記念対局を指すことが女流王位戦に臨む大きなモチベーション」と話す里見は気合十分。迷わず得意の中飛車に構え、対抗形の戦いになった。

序盤の駆け引き

 昨年、四冠の最年少記録を更新した藤井。記者会見での発言や対局中の食事などが社会的な関心事となった。しかし棋士としては、ファンに棋譜を見てもらいたいはず。自身の将棋のどの部分を楽しんでもらいたいか尋ねると、棋士の将棋は難しくなりがちですが、と前置きした上で「以前より序盤で少し工夫するようにしています。相居飛車ですと端歩の位置関係でそのあとの展開も変わってくるように、細かいですが序盤の駆け引きも見ていただければうれしい」と応じた。

 ■3八銀の後に□6五桂と跳ねた手は、そんな藤井がみせた注文だ。右桂が早めに動く展開について「こちらの玉が薄いので、正否は際どいのかなと思っていました」と藤井は振り返った。

里見の持ち味

 後手が□5六桂から□7七銀と駒を投入しながら押さえ込みにかかったことで、類型の少ない将棋となっていく。

 里見は「今はAI(人工知能)が普及してきていますが、そんな中で自分の持ち味が出せるよう対局しています。そういった人間らしさを見ていただきたい」と考えている。□8六飛(第1図)から中飛車がみせた指し方が、明るい構想だった。

 ■4五歩から■4四歩と突き捨てたのは、■4五銀と打ち5六の桂を取る手を見せている。そして4筋に持ち駒の歩がいつでも使えるようになったのが大きく一石二鳥。形勢は不明で、まだまだこれからの局面である。

絶妙のタイミング

 高勝率を誇る両者だが、棋士は負けることの多い職業でもある。そんなとき何を思っているのだろうか。

 藤井「負けたときは基本的に、一つ以上の明確なミスが自分にあるので、なぜ判断を誤ったのかを明確にします。敗因が分かれば、結果は忘れていきます」

 里見「負けたことを現実として受け入れて、あとは自然な気持ちに任せます。克服できるようにしたいですが、積み重ねが必要かなと感じます」

 ファンにとっても参考になる考えである。

 第2図は□1五歩と端歩を突いたところ。■同歩が自然だが□1七歩■同香□1六歩■同香と香をつり上げて□5七角成■同角□4八桂成■同金と竜の横利きを通してからの□1六竜がある。□1五歩は絶妙のタイミングで先手は困ってしまった。

勝利への意欲

 ■6六角は角銀交換でも構わないのでもう一勝負という手。しかし、相手にしない□2四桂が決め手になった。

 7三に角がいるので次に□3六桂と銀を取りながらの王手が厳しい。■4六歩と角の利きを止めるのでは、先手の飛車が働かなくなってしまう。

 藤井は「□2四桂と先に桂を打つことができたので、攻めの形ができてきたのかな」と振り返っている。

 投了図は後手玉がそもそも寄らない。先手は攻防ともに見込みがなくなってしまった。

 里見は「(藤井王位は)難しい局面でも決断良く指してこられ中終盤での力の差を感じました。またここで指せるようにがんばりたいと思います」と語った。それは次こそ記念対局で勝利したいという強い意志を感じるものだった。

【対局のルール】平手戦。女流王位の先手番。持ち時間は王位10分、女流王位が1時間。使い切ると1手60秒の秒読み。

<対談>今年の目標は? 藤井「少しずつでも工夫を」 里見「一局一局大切に指す」

 -昨年はどんな年でしたか。

 藤井 タイトル戦に登場する機会を増やすことができました。経験値を積むことができ勉強になったと感じています。

 里見 女流王位戦の防衛戦は、女流タイトル数44期(歴代単独1位)がかかる対局でした。注目いただく中で結果を残すことができ良かったと思っています。

 -互いの活躍をどのように見ていますか。

 里見 藤井王位は、はじめから持ち時間を投入されて惜しみなく考えるのが特徴的。終盤、持ち時間がなくなっても正確に指されるところは、誰にもまねできないなと思います。

 藤井 女流棋戦だけでなく公式戦でも活躍され、本当に高いレベルで指されています。

 -昨年の女流王位就位式には、囲碁棋士の藤沢里菜女流本因坊がいらっしゃいました。

 里見 藤沢さんは昨年、一力遼天元(当時)に勝たれていましたし、めざましい活躍。私も女流棋戦はもちろん、一般の公式戦でも自分の力を出し切れるようにがんばっていけたらと思います。

 藤井 この間、囲碁の中継を見ました。ルールも分からないのですが、評価値が出ていて形勢を知ることができるので、面白いなと感じる部分もあります。ゲーム性はかなり違いますが、共通点の多い世界。学べるところがあればと感じています。

 -藤井王位はチェスも趣味と聞いています。

 藤井 チェスはルールは分かるので、問題を解いています。考え方は将棋と異なる部分が多く、一から取り組む必要がありまだまだ初心者です。

 -2022年はどんな年に。

 藤井 9日に王将戦が始まり、6月から棋聖戦、そして夏は王位戦、叡王戦、秋には竜王戦と防衛戦が続きます。それに向けて実力を高め、いい状態で臨めるようにしたいです。一局ごとに少しずつでも工夫をして新しい形にできればと思っているので、楽しんでいただけたらうれしいです。

 里見 女流棋戦が増え対局数が増えています。一局一局大切に指していきたいです。

 ◇お好み対局や対談の様子を、神戸新聞NEXTで動画配信しています。

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