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5時46分を指したまま止まった数々の被災時計
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5時46分を指したまま止まった数々の被災時計

 60秒を数えれば過ぎるはずだった「5時46分」がぴたりと止まっていた。

 人と防災未来センターに寄贈された阪神・淡路大震災の「被災時計」は25点。たんすの下敷きになった目覚まし時計、壁から落ちてガラスの盤面が割れた掛け時計、ゼンマイが壊れて巻けない置き時計…。

 「やっと持ち出せるようになった、という言葉をよく聞きます」と担当者。「踏ん切りをつけるために、と話す人も。気持ちの整理にかかる時間はそれぞれ違うんですね」

 神戸市須磨区の市村俊和さん(80)は2021年12月、結婚記念の置き時計を同センターへ。新婚当時から暮らしたJR六甲道駅近くの平屋は全壊し、家の中から時計を見つけ出した。

 当時、感情が追い付かない光景を多く目の当たりにした。拭えない記憶とともにある時計は、7回の転居を経ても手放せなかった。

 19年春、妻の聡美さんは先立った。「自分が死んだら時計は処分される。大切に残してほしいと思った」

 寄贈する直前、市村さんは時計をじっくりと見た。ずっと46分を指していた針が2分進んでいた。(鈴木雅之)

=おわり=

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