あふれる花束、鼻をすする音、子どもを抱きながら手を合わせる人…。17日、阪神・淡路大震災の被災地は亡き人を思う気持ちであふれた。「記憶をたぐると今も苦しい」「なんとか乗り越えてきたよ」。思いを語る遺族らの声を聞いた。あれから27年。残し、伝え、つなぐために。
「ランドセル買ってあげるって、約束してたんやけどなぁ…」
毎年欠かさず神戸・三宮の東遊園地を訪れる神戸市灘区の天畠(あまはた)ヒサコさん(84)は、さびしそうに言った。震災で三女の典子さん=当時(26)=と孫の怜(さとる)ちゃん=同(6)、典子さんの夫の湯口節生さん=同(26)=を亡くした。
地震の2日前、3人目の出産を控えていた典子さんにこう提案した。「子どもが増えたら子育ても大変やし、実家で暮らさへん?」。大家族になって、みんなで子育てに励む。そんな未来は一瞬で失われた。
春には小学生になるのを楽しみにしていた怜ちゃん。プレゼントを喜ぶ姿を見られなかったのが今でも心残りだ。
典子さん一家は震災当時、兵庫県芦屋市の集合住宅に4人で暮らしていた。強い揺れで2階が落下し、4人がいた1階部分はぺしゃんこになった。助かったのは、節生さんが大切なものを抱くように守った2歳の礼(あきら)ちゃんだけ。怜ちゃんの弟だ。がれきの下敷きになった節生さんは3日後に息を引き取った。
84歳のヒサコさんは今も現役の美容師として働く。天国の3人を安心させるために、元気にはさみを握り続けたいからだ。
「みんなが生きられへんかった分、体が持つ限りは頑張らな」。照れくさそうにほほえんだ。
今年も3人の名前が刻まれた銘板の前に立ち、静かに手を合わせた。目を閉じ、心の中で語り掛ける。
「また来年も来るからね。礼のこと、心配しないでね」。長い祈りが終わると曲がった腰をシャンと伸ばし、いとおしそうに名前をなでた。(森下陽介)
【特集ページ】阪神・淡路大震災
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