沖縄が日本に復帰して50年を迎えた。兵庫県内には沖縄県からの移住者も多く、長い交流の歴史がある。半世紀がたった今、両県にゆかりの人々は何を思うのか。節目に思いをはせるのは、戦争の記憶を語り継ぐ大切さと、いまだに本土との間に残る経済格差の課題だった。
沖縄と兵庫の両県は1972(昭和47)年、友愛提携を結び交流を深めてきた。神戸市須磨区出身の島田叡(あきら)が、太平洋戦争末期に沖縄の知事を務めたことがきっかけだった。
最期まで沖縄県民と苦難を共にした島田ら県職員の戦没者を追悼する「島守の会」理事の島袋愛子さん(74)=那覇市=は、神戸から慰霊に訪れる人らに戦争について語ってきた。「沖縄に思いを寄せてくれる人が増えた」と振り返る。
自身は高校卒業後、米軍統治下の琉球政府職員に採用され、やがて県職員に。米軍基地の数は今よりも多く、「フェンスの隙間に住民が住んでいる感じ。生活も貧しかった」
当時に比べると生活は改善され、本土との行き来も自由になった。「復帰前、内地の友人に会いに行くにはパスポートが必要でした」といい、県外からの訪問が増えたのは復帰の恩恵と話す。「兵庫との絆は私にとって財産。これからも大切にしたい」と語った。
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全国災害ボランティア支援機構代表理事の高橋守雄さん(73)は兵庫県警の警察官だった50年前、坂井時忠元知事の意向を受けて、沖縄との友愛提携の実現に携わった。
体育施設「沖縄・兵庫友愛スポーツセンター」を建設する募金に注力。「ボランティアの考えが広がる前で、仕事の合間の活動は大変だった。それでも完成式で沖縄の仲間が喜ぶのを見て感激した」と懐かしむ。
以来、沖縄を何度も訪ね、地元の友人に沖縄戦の戦跡を案内してもらった。「彼らも戦後生まれだが、知識が豊富で地上戦の悲惨さをしっかり教えてくれた。記憶を風化させない姿勢を感じた」と印象を語り、「今の日本は沖縄の犠牲の上にあることを忘れてはいけない」と強調した。
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島田叡の母校・兵庫高校(神戸市長田区)は長年、修学旅行で沖縄を訪ねている。3年生の女子生徒(17)は、旅行で沖縄への関心を深め、貧困問題の調査に取り組む。「戦争で親を失った子どもは戦後も生活が苦しく、十分な学習環境を持てなかった」とみる。「収入は低く、現在の貧困につながっている。今も沖縄には戦争の傷痕が残っている」と訴える。
那覇市出身で兵庫県立大教授(戦略経営論)の當間(とうま)克雄さん(59)は、貧困を含めた経済格差を実感してきた。小学3年の時に本土復帰を迎え、大学院進学を機に神戸へ移った。
「帰省するたび、道路や建造物は多くなったが、沖縄は県民所得が低い。本土との溝を埋めるためにも、起業支援や産業強化に政府も県も予算を使ってほしい」と呼び掛ける。「東京と並んで人口が増えている沖縄の現状を生かし、長期的視点の経済政策を立ててほしい」と提案する。
神戸市中央区で沖縄物産店「わした神戸三宮店」を営む谷田和彦さん(67)は、本土復帰50年のイベントを企画し、限定商品などを販売している。仕事の関係で何度も沖縄を訪ねたが、新型コロナウイルス禍で、3年行っていない。「観光産業が打撃を受けていると聞く。名産品をアピールし、少しでも元気づけたい」と思いを寄せた。(津谷治英)

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