総合 総合 sougou

  • 印刷
加西市や加西商工会議所などが設立した「北条高校活性化協議会」の事業で、放課後の生徒に数学を教える講師=2019年9月、北条高校同窓会館(加西市提供)
拡大
加西市や加西商工会議所などが設立した「北条高校活性化協議会」の事業で、放課後の生徒に数学を教える講師=2019年9月、北条高校同窓会館(加西市提供)

 兵庫県教育委員会が3月に公表した「県立高校教育改革第3次実施計画」に、県立高校を15校削減する案が盛り込まれたことで、過疎化が進む市町では地域の高校の魅力アップにどう関わるかという議論が活発化している。生徒数減への危機感から地元自治体が高校の特色づくりに一役買う一方、高校を所管する県教委とでは捉え方に温度差も。次代の高校づくりに地域の意見がどこまで反映されるのか、見通しは立っていない。(古根川淳也)

 「高校の魅力は地域の魅力。まちの人口減を止めるには、地元の中学生が地元の高校に通えないと」

 県内24の市町長でつくる「地方部における高校教育を考える首長の会」。代表世話人の西村和平加西市長は言葉に力を込める。

 県立北条高校には加西市内唯一の普通科があるが、19年度に1学年が4学級から3学級(定員120人)に減少。市内の中学生は例年330人前後が卒業するため、約4割しか地元の普通科に進学できない。

 学力向上で高校の魅力化を図ろうと、同市と加西商工会議所、同校同窓会などは、校長らの協力を得て14年に「北条高校活性化協議会」を設立。企業の寄付や市の補助金などで毎年約1千万円を確保し、大手予備校・河合塾の講師らによる学習指導や、豪州での語学研修などを行ってきた。近年は国公立大や難関私大の合格者数も増えているという。

 同協議会は県教委に対し、学級数を4に戻す要望を繰り返しているが、手応えは感じられないという。声を届けるには市町の連携が必要と考え、8市町に呼び掛けて20年に立ち上げたのが「首長の会」だった。ちょうど高校再編の議論も始まり、現在は24市町にまで賛同の輪が広がっている。

 西村市長は「小規模化で高校の魅力が低下し、再編が必要という県教委の考えに反対の市町はない」とした上で「高校教育のあり方については市町も一緒に議論したい。地域の事情や特性に応じた教育を考えるには、地域の意見が必要」と訴える。

 一方、県教委は再編計画を作成するため、県内10地域で小中学校の保護者や市町教委の関係者らの意見を聞き、素案がまとまってからも全市町に説明したとする。

 25年に実施される再編第1弾の対象校は今年の夏休みまでに公表される予定。その後は対象校の校長、教頭と県教委職員を中心とする検討委員会を設け、学校の場所や引き継ぐべき特色などを議論する方針だという。その過程で、市町や関係住民、卒業生などの意見も聞きたいとする。

 2月に県教委が公表した豊岡聴覚特別支援学校と出石特別支援学校の統合計画では、保護者らへの説明不足から見直しを求める署名運動に発展し、方針変更を迫られた。斎藤元彦知事は高校再編についても「地域への影響が大きい。丁寧な説明をお願いしたい」と県教委に要請している。

 県教委の担当者は「最優先で考えるべきは子どもたちの学びだが、市町や関係者にも十分説明をしたい」としている。

【高校再編などを研究する愛知教育大の本多正人教授(教育行政学)の話】少子化や地方創生で地域の高校の役割が期待され、都道府県教委と市町の連携で魅力化を図る動きは全国に広がっている。ただ、学校の存続だけが目的化してしまって、地元市町の財政負担が膨らむ懸念もある。生徒が進学したいと思うような中身が伴うかどうかは、校長や教員ら現場の力量によるところも大きいだろう。

【県立高校教育改革第3次実施計画】兵庫県内125の全日制県立高校のうち、28校を統廃合して13校に再編する。背景には約30年前より生徒数が半減した一方、学校数はほぼ同じで、小規模校が増加していることがある。2025年度は16校を7校に、28年度は12校を6校に、それぞれ再編。対象校はその3年前に公表される。

高校再編
総合の最新
もっと見る
 

天気(8月17日)

  • 31℃
  • 27℃
  • 70%

  • 30℃
  • 25℃
  • 80%

  • 32℃
  • 28℃
  • 60%

  • 31℃
  • 27℃
  • 70%

兵庫県内に 警報 が発令されています

お知らせ