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シェアキッチン「ベイクベース」を活動拠点にしている「ゴージャス☆和代」こと久保和代さん=豊岡市中央町
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シェアキッチン「ベイクベース」を活動拠点にしている「ゴージャス☆和代」こと久保和代さん=豊岡市中央町
豊岡市の老舗コーヒー店「ヒグラシ珈琲」のコーヒー豆を使用した「直感オペラ」(C)kinugawa_photo
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豊岡市の老舗コーヒー店「ヒグラシ珈琲」のコーヒー豆を使用した「直感オペラ」(C)kinugawa_photo
「香住鶴」の酒かすや、「神鍋ブラック」、「朝倉山椒」などを使用した焼き菓子(C)kinugawa_photo
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「香住鶴」の酒かすや、「神鍋ブラック」、「朝倉山椒」などを使用した焼き菓子(C)kinugawa_photo
過去に手掛けてきたデザート(久保さん提供)
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過去に手掛けてきたデザート(久保さん提供)
過去に手掛けてきたデザート(久保さん提供)
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過去に手掛けてきたデザート(久保さん提供)

 フリーランスのパティシエ「ゴージャス☆和代」こと久保和代さん(39)が、兵庫県豊岡市の「起業型地域おこし協力隊」として、但馬地域の食材を使用したスイーツレシピを開発している。洋菓子メーカーやホテルで約20年間働き、仏パリの二つ星レストランでも経験を積んできた。お笑い芸人のようなニックネームとは印象が異なり、繊細で独創的な生菓子や焼き菓子を作り上げている。(石川 翠)

■祖父からの「まずい」

 大阪府河内長野市の出身で、子どものころから料理好きだった。家でレシピ本を見ながらお菓子などを作っていたという。小学3年生の時に「おしゃれそうやな」と作ってみたオレンジコンポートを祖父にあげると、「まずい。もう作らんでいい」と言われた。その一言で、「おいしいと言わせたい」と火が付き、パティシエを目指すようになったという。

 製菓専門学校を卒業後、洋菓子ブランドの「アンリ・シャルパンティエ」や「アンテノール」で働き、コンテストにも出場。「西日本洋菓子コンテスト」で金賞を受賞するなどした。

■パリの二つ星レストラン

 本場で菓子作りを学ぼうと、27歳で渡仏。当初は東部ブザンソンのケーキ店で働いていたが、パリの有名店で腕を磨きたいと、就職活動で必要な「私はパティシエです」「あなたたちと働きたい」などの簡単な会話を、現地の友人にiPod(アイポッド)に吹き込んでもらい、繰り返し聞いて覚えた片言のフランス語でパリに向かった。

 現地で日本人パティシエ向けの講習会があることを知った。参加してみると、そこにパティシエの高塚俊也さんがいた。ミシュランの星を世界で最も多く保有するといわれるレストランの著名シェフ、ジョエル・ロブション氏(故人)のもとで働いていた。現在、20年に日本人シェフ初の三つ星獲得のレストラン「ケイ」で活躍するシェフパティシエだ。

 つてのない久保さんを高塚さんが、ノートルダム大聖堂近くのサンジェルマン店に紹介してくれた。ビザ終了までの5カ月間、多国籍のパティシエとともに、客のタイミングに合わせてスフレを焼いたり、レモンタルトを作り上げたりと、一通りの菓子作りを手掛けた。

■「お菓子の神様」に導かれ

 帰国してから各地のホテルなどを転々とした後、兵庫県南あわじ市の高級リゾート「ホテルアナガ」で、シェフパティシエとして腕を振るってきた。

 新メニューを開発できる楽しさを感じつつ、独立への思いも抱いていた。

 ある時、交流サイト(SNS)を閲覧していると、偶然流れてきた投稿経由で豊岡市の地域おこし協力隊募集ページを目にした。「お菓子の神様」「起業型」「小さな世界都市」-。「これや」と直感した。

 お菓子の神様「田道間守命」が祭られている中嶋神社があり、毎年菓子メーカーなどが参拝する菓子祭が開かれていること、テーマを定めずに市内での起業を目指す新たな募集形態、地域に根ざしながら世界に通用するまちづくりを目指すキャッチコピー。2日後の締め切りに間に合わせて急ごしらえした書類の選考と面接を経て、採用が決定した。

 「ちょっとダサいほうが覚えてもらえる」と、以前から名乗っていた「ゴージャス☆和代」のパティシエ名で、今春から同市での活動を始めた。

■「直感オペラ」

 4月に着任して早々、6月に大阪・心斎橋オーパでの但馬の商品を紹介する特設コーナーへの出店の声が掛かった。

 地元産の食材探しから始まった。創業90年以上のコーヒー専門店「ヒグラシ珈琲」(豊岡市)のコーヒー豆と、フランスの有機チョコレートを使ったケーキ「直感オペラ」を制作。卵かけご飯で有名な「但熊」(同)の鶏卵と、「井戸養蜂場」(同)の蜂蜜を使用したピスタチオのチーズケーキを作った。

 焼き菓子もそろえようと、養父市の朝倉山椒や兵庫県香美町の地酒「香住鶴」の酒かす、神鍋白炭工房(豊岡市)の炭パウダー「神鍋ブラック」などを使用したマドレーヌを作った。それぞれの生産者などから聞いた特徴をまとめた説明書きを置いたり、購入客に直接説いたりして、最後は完売した。

 「ちょっとした計量ミスでも、できあがりに大きな違いが出ることなどから、菓子作りは科学的と言われるが、メニュー開発には自分の直感に従いたい」と久保さん。食材を口にした瞬間に掛け合わせる材料をひらめくこともあるという。

 世界を舞台に活躍する高塚さんを尊敬し、自身も「将来的には但馬のスイーツを海外での販売につなげて多くの人に知ってもらいたい」と話している。

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