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舞多聞小の隣の公園(手前)で休み時間に遊ぶ児童たち。左側の建物が暫定校舎=神戸市垂水区舞多聞西5
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舞多聞小の隣の公園(手前)で休み時間に遊ぶ児童たち。左側の建物が暫定校舎=神戸市垂水区舞多聞西5
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 多くの学校が少子化に悩まされる時代にありながら、兵庫県内には児童数が千人を超す小学校が20校ある。校区内の住宅開発によって規模が膨らんだケースが多く、仮設校舎を建てて運動場が狭くなったり、特別教室が足りなくなったり、課題も少なくない。(長尾亮太)

 コストコ神戸倉庫店に近い舞多聞小(神戸市垂水区)は、児童数が1500人を超えて県内最多。運動場の脇に立つ鉄骨5階建ての建物を同校の担当者が指し示した。「いずれ児童数が減ったときに取り壊す予定の『暫定校舎』です」

 現在の校区にはもともと「舞子ゴルフ場」があった。阪神・淡路大震災後、売却され約2600戸の一戸建てが建った。2016年の開校後も、児童数が想定を上回るペースで増え、20年に暫定校舎を建てた。

 悩みの一つは運動場の狭さだ。児童1人当たりの面積は4平方メートルと、全校児童が体を動かすには十分でなく、業間休みや体育の授業では隣にある公園(約2千平方メートル)も一体的に使っている。

 新型コロナウイルス禍への配慮もあって、運動会は学年ごとに開催日を分けた。今後コロナが収束したとしても「全校児童と保護者を合わせると5千人規模。一斉に開催するのは難しいのではないか」と梶本泰宏校長は頭を悩ませる。

 混雑によって子どもがけがをしないよう、学校側は細心の注意を払う。下校時には教員が引率して、クラス全員で教室から玄関の靴箱まで移動する。

 特別教室も時間割の調整が難しい。例えば理科室は使う時期が集中しないよう、他のクラスとすり合わせ、学ぶ項目の順序を入れ替えるなど工夫。それでも対応しきれず、二つ目の理科室新設を検討している。

 舞多聞小に次いで児童数が多い小学校が、JR大久保駅(明石市)に近い山手小と大久保小だ。

 1990年代の駅南再開発や、南北の行き来を可能にした駅橋上化によって周辺エリアの便利さが上がった。田んぼやため池で住宅建設が進み、9年間続く明石市の人口増加をけん引している。

 山手小ではこの11年間で児童数が7割増えた。プレハブ教室を建てた運動場は1人当たりの面積が狭くなり、業間休みに子ども同士がぶつかる危険性が指摘されるように。また、校舎内の限られた空間を普通教室へ転用したため、教員と子どもが相談する場を確保することも難しくなった。

 山手、大久保小では、休み時間になると児童がトイレ待ちの列をつくる。大久保小では他校が5分しか取らない1、2時間目の間などでも10分を確保しており、その影響で下校時刻が遅くなる。

 高羽小(神戸市灘区)や霞ケ丘小(同市垂水区)、本山第二小(同市東灘区)は、住みたい校区として子育て世代に人気が高いことなどが、学校規模の大きさにつながっている。

 本山第二小の校区は阪急岡本駅やJR摂津本山駅に近くて交通の便が良いほか、私立中学を受験するための進学塾もそろっていて子育て世代を引きつけるという。

 同校も運動場の狭さやさまざまな用途で使える教室の少なさなど課題がある一方、「規模が大きいからこその良い点もある」と宇野篤史校長。「日頃からいろいろな子どもと接することで、誰とでも関わり合える力が付くと思う。転校してくる子とも抵抗感なく、仲良く過ごせていますよ」と力を込める。

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