2025年度に兵庫県立高校14校を6校に統合する県教育委員会の再編計画で、関係者が統合の基本計画などを話し合う検討委員会が8日、三木市と西宮市内の対象校で始まった。各校の特色や取り組みについて、統合校に継承できるよう校長らが紹介する中、地元の三木市教委からは「(高校3年の年に新入生が入学してこないことになる)今の中学3年生が進路選択に迷っている。早く方向性を出してほしい」という切実な要望も出された。
検討委は学識経験者や対象校の校長、教頭、地元市町教委の職員らが出席。4回程度の会合で12月末までに基本計画をまとめ、新校の想定設置場所などを発表する。
三木市では三木北、三木東、吉川の3高校関係者らが吉川高校に集まった。
同市教委の職員は「中学3年生は12月までに志望校を決めるが、3高校の方針が分からないので教員も指導できず困っている。11月中旬までには生徒に示せるよう前倒しを」と現場の実情を報告した。
同市教委によると、高校3年生になった時に部活動や体育祭などを2、3年生だけでするのか、1年生がいないことで教員が減り専門的な授業が受けられないのではないか、といった不安の声が生徒らから寄せられているという。
出席した県教委の担当者は「不安は当然。委員の皆さんに負担をかけるが、可能な限り早く議論したい」と応じた。
西宮市では西宮北、西宮甲山両高校の関係者らが西宮北高校で議論した。
西宮北の宮本美枝子校長は、国公立大や関西の難関私大に進学する生徒が年々増えているとして「生徒の可能性を最大限に伸ばす高校として評価されている。この特色を継承してほしい」と提案した。西宮甲山の早川千也校長は、保育士や小学校教諭を目指す教育総合類型で14期の実績があるとし、「短大や保育園とも連携してノウハウを積み上げている。新しい高校でも継続したい」と求めた。
検討委は神戸市や姫路市内などの対象校でも、19日までに初回の会合が開かれる。(古根川淳也)
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