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 神戸市は9日、2021年度の決算見込みを発表した。一般会計で22年度に繰り越す財源を除いた実質収支は、10億3700万円と23年連続の黒字となった。新型コロナウイルス禍で落ち込んだ企業業績や消費が回復し、市税収入や交付金が増加したことなどで収支状況がやや改善した。(三島大一郎)

 20年度の一般会計決算では、コロナ禍による市税収入の減少などで101億円の収支不足が発生。10年ぶりに市の貯金に当たる財政調整基金を取り崩すなどしたが、21年度は財源対策を取らずに黒字を確保した。

 21年度の一般会計の歳入は、前年度比7・7%減の9322億2500万円だった。消費の回復に伴い、配分される地方消費税交付金が増えたほか、企業業績の向上で法人市民税も増加。一方、20年度に実施した国民1人当たり10万円の特別定額給付金が21年度はなくなったため、国庫支出金が大きく減少した。

 歳出は、前年度比7・3%減の9235億1100万円。灘の浜小学校(同市灘区)の新設工事終了などで投資的経費が減り、定額給付金の減少などでコロナ対策事業費を含む物件費も減った。同事業費の総額は847億円(20年度は1836億円)となった。

 借金に当たる市債の残高は、後に国から交付税措置のある臨時財政対策債の残高が増え、前年度比434億円増の1兆2293億円。臨時財政対策債を除く市債残高は同109億円増の6384億円となった。

 財政調整基金の残高は、前年度比63億円増え、阪神・淡路大震災以降で最多の146億円となった。法人市民税などが見込みより60億円上回り、22年度から3年間は交付税が減額されることになるため、上振れ分を基金に積み立てた。

 財政の健全性を測る指標で、収入に対する借金返済の割合を示す「実質公債費比率」は前年度から0・1ポイント増の4・4%でほぼ横ばい。将来の借金負担の重さを示す「将来負担比率」は5・2ポイント減の56・4%になった。いずれも政令市で上位を維持している。

     ◇

■自動車事業会計、6年連続で赤字

 企業会計では、市バス事業を担う自動車事業会計が18億3600万円の赤字となった。赤字は6年連続。新型コロナウイルス禍の影響で乗車料収入の減少が続いていることに加え、燃料費の高騰も経営の圧迫要因となっている。

 赤字幅は2020年度の17億600万円から拡大した。公営企業の健全度を測る「資金不足比率」は19・6%で4・1ポイント悪化。経営健全化基準とされる20%に迫り、市財務課は「経営改革を着実に進める必要がある」とする。

 市営地下鉄事業を担う高速鉄道事業会計も乗客数の減少などが響き、44億1千万円の赤字となった。赤字は2年連続。

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