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酒どころとして区名の由来にもなった灘区=神戸市灘区桜口町4
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酒どころとして区名の由来にもなった灘区=神戸市灘区桜口町4
広大な砂浜を有する遠州灘はウミガメの産卵地にもなっている(浜松市市勢要覧2015より)
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広大な砂浜を有する遠州灘はウミガメの産卵地にもなっている(浜松市市勢要覧2015より)
灘五郷の酒蔵を紹介する看板。酒どころとして地名の由来にもなった=神戸市東灘区御影塚町1
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灘五郷の酒蔵を紹介する看板。酒どころとして地名の由来にもなった=神戸市東灘区御影塚町1
広大な砂浜を有する遠州灘(浜松市提供)
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広大な砂浜を有する遠州灘(浜松市提供)

 静岡県の浜松市が計画している行政区の再編で、新たな区名の候補に、神戸市民にとってはなじみの深い「灘区」が挙がっている。公募で市民から寄せられた「うなぎ区」や「家康区」などのご当地候補を退け、市が絞った5案に残った。交流サイト(SNS)では「神戸市灘区しか思い浮かばない」と混同を懸念する声も上がっており、新区名の誕生に向けて白波が立っている。(竜門和諒)

 浜松市は、行政サービスの維持などを理由に現在の7区から3区への再編を計画し、うち2区の区名を公募。その一つ仮称A区(現在の中、東、南、西、北の一部)名について、「灘」が80件集まった。多い順では20番目だった。

 応募数だけを見ると、中央区、家康区、浜名区などが上位5位に入ったが、市は固有名詞や、特定の地域を想起させる案を除外。結果的に18位までの案は全て外すことになり、奏▽灘▽曳馬野▽渚▽青の5案を市議会に示した。

 「灘」が区名になると、神戸市と同じだが、浜松市は「一般的に使われている表現。固有名詞には当たらない」と判断し、候補からは省かなかった。

 神戸で灘の地名は「地域が『灘の生一本』で知られる酒どころであること」(灘区ホームページ)が由来だが、浜松では「大半の人が(静岡県周辺の海域を指す)遠州灘を理由に挙げた」と担当者。神戸の灘は酒蔵が集まる「灘五郷」や、屈指の進学校「灘中」などで広く知られているため、「神戸にもあるが」と承知の上で浜松市に灘案を寄せた市民もいたという。

 灘が候補に残ったことについて、ツイッターでは「神戸と間違えられる」「神戸じゃん。絶対に浜松に思われん」「神戸市から猛抗議を受けるのでは」と疑問視する声が飛び交った。神戸新聞社にも、静岡県の人から「灘区といえば神戸でしょ。こんな特定の地域を想起させる名前はダメ」と電話があった。

 灘という言葉には本来「潮流が早くて波が荒く、航海に困難な海」の意味があり、九州北西部には玄界灘がある。播磨灘に面した姫路市の灘地区、山口県岩国市や愛媛県伊予市の灘町など広く海沿いの町として「灘」を使った地名も多い。

 一方、浜松市では上位18案が除外された仮称A区について「市民の声が反映されていない」との指摘があった。同市はそれを受け、一度除いた案も含めてさらにいくつかの案を加え、市民へのアンケートを経て選ぶことにしたという。

 神戸市灘区役所の担当者は「灘の名前が挙がっているんですか」と驚いた様子を見せつつも、「全国では別の政令市で同じ区名を使っている例もありますので」と静かに見守っている。

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