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「栄正丸」の松葉ガニを選別する女性たち。1匹ずつ大きさや硬さ、色、傷の有無などを見る=柴山港
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「栄正丸」の松葉ガニを選別する女性たち。1匹ずつ大きさや硬さ、色、傷の有無などを見る=柴山港
松葉ガニを選別する女性たち=柴山港
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松葉ガニを選別する女性たち=柴山港
「番ガニ大」「小スス」「出スス大」「出ススボタ小」と札が並ぶ=柴山港
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「番ガニ大」「小スス」「出スス大」「出ススボタ小」と札が並ぶ=柴山港
大きなカニや傷のあるカニは、ブルーシートに並べて仲買人に見せる=柴山港
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大きなカニや傷のあるカニは、ブルーシートに並べて仲買人に見せる=柴山港
「柴山がに」の看板。「厳選の証し!!」「選別日本一!!」の文字が躍る=柴山港
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「柴山がに」の看板。「厳選の証し!!」「選別日本一!!」の文字が躍る=柴山港

 「神の手」。兵庫県香美町の柴山港で、水揚げした松葉ガニ(ズワイガニ雄)を仕分ける選別人の手さばきは、町名(香美)にちなんでそう呼ばれる。300ともいわれる選別区分を誇る「選別日本一」の港に、「柴山がに」のブランドを支える達人たちを訪ねた。

 「見て。同じ大きさでも、これだけ種類があるの」と指さしたのは「箱大」サイズの水槽。「箱大」「箱大キズ」「箱大短足」「箱大ボタ」「箱大二本落腹キズ」「箱大ボタ腹キズ小指変形」「箱大二本落甲スレ指スレ」など、14区分に仕切られていた。

 「光春丸」の選別人、小林美千代さん(71)は、キャリア40年のベテランだ。カニをよる際は、甲羅や腹、指に触れ、重さや身の詰まり、全体の色やヤケ具合などをみる。

 小林さんは娘たちにもより方を教えるが、微妙な硬さや傷の扱いはベテランでも判断に迷うという。「きっちり型にはまるものではないから、数を見て覚えるしかない。一人前になるまで? 10年はかかるかな」

 「栄正丸」の選別人・村瀬季代子さん(58)は、夫の浩志さんが船長を務める。「主人たちが大変な思いをして取ってきたもの。きっちりと選別して、買い手の信頼に応えたい」と話す。

 その「栄正丸」の船主は、但馬漁協の村瀬晴好組合長(72)。実は選別人として40年近いキャリアを持つ。「元は会社勤めで、私は波をかぶったことがないんですよ」。父親の跡を継いで船主になったとき、船員の信頼を得るため、二つのことに取り組んだ。一つは、船が帰港するときは夜中の何時でも港で出迎えること。もう一つが、船員の取ってきたカニの選別を一生懸命やることだった。

 「われわれ柴山の人間はカニに命を懸けている。選別に対しても、それだけの意気込みや情熱を持っているということですよ」

但馬
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