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AIを使った膵臓の状態を調べたCT画像(富士フィルム提供)
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AIを使った膵臓の状態を調べたCT画像(富士フィルム提供)
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AIを使った膵臓の状態を調べたCT画像(富士フィルム提供)

 神戸大大学院医学研究科の児玉裕三教授、村上卓道教授を中心としたチームと富士フイルム(東京)は4日、共同で人工知能(AI)を用いて造影CT画像から膵臓がんを検出する技術を開発したと発表した。

 これまで専門医の技術に頼った検査が、AIの使用によって専門医以外でも精密な診断ができるようになる画期的な技術という。医師の負担も軽減でき、治療が難しい膵臓がんの早期発見が期待される。

 膵臓がんの死亡者数は近年増加傾向にあり、がん研究振興財団の統計では2020年は3万7千人以上が亡くなり、肺がん、大腸がん、胃がんに次ぐ第4位となっている。膵臓がんの形状が複雑なため、初期段階で画像検査による発見は困難で、患者本人が症状を自覚した時には末期近くに進行しているケースが多い。

 神戸大のチームは早期発見に向けて、がんの所見となるしこり(腫瘤)の発見以外に、膵臓の萎縮、膵管の拡張・狭窄といった前段階で疑われる異常にも着眼した。それらの特徴を含む1千の症例を、富士フイルムに提供してAIに学習させ、専門医でなくても精度が高く、がんが疑われる前段階で発見できる技術開発に成功した。

 神戸大の児玉教授は「膵臓がんは難治がんとされてきた。AIを使えば、専門医でなくても効率的に早期発見が可能となり、大きな前進といえる」と話していた。(津谷治英)

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