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加西市長選の立候補予定者と高校生が語り合った市長選ミーティング=加西市段下町
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加西市長選の立候補予定者と高校生が語り合った市長選ミーティング=加西市段下町
立候補予定者に質問する北条高校生=加西市段下町
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立候補予定者に質問する北条高校生=加西市段下町

 まちのリーダーを決める兵庫県加西市長選(14日告示、21日投開票)を前に、高校生と3人の立候補予定者が市の将来を語り合う「市長選ミーティング」が県立北条高校(同市段下町)であった。生徒たちの質問に3人が語った約束とは-。

 神戸新聞社が同校の協力を得て5月2日に開催。いずれも無所属新人で立候補を表明している前副市長の河尻悟氏(47)と、元市教育長の高橋晴彦氏(65)=自民推薦、市議の深田真史氏(38)が参加した。

◆観光をどう活性化する?

 観光事業を盛り上げるため、何を軸に進めていくのか=正中佑磨さん(17)。

 河尻氏 加西の良さを観光資源にしたい。ものづくりと農業のまちなので、滞在しながら農業やものづくりを体験する観光を進めていきたい。

 高橋氏 県立フラワーセンターや鶉野飛行場、ブドウ、イチゴ、日本酒、北条鉄道など、施設や特産を連携させることで強みになると思う。

 深田氏 フラワーセンターを1年中訪れてもらえる施設に活性化する。歴史遺産の青野原俘虜収容所や鶉野飛行場跡を慰霊の趣旨に沿って再構築したい。

◆環境保全活動に支援を行うか?

 県天然記念物「あびき湿原」の保全活動に参加しているが、貴重な生態系の保全活動支援策を聞きたい=東後達也さん(17)。

 高橋氏 ボランティアに頼っていては活動は継続できない。補助は多額にならないので行うべきで、活動を地道に続けられるようにするのが行政の役目だ。

 深田氏 湿原だけでなく、コウノトリやハクチョウが飛来する自然環境を保護することが、市のイメージ向上や農業のブランド化にもつながる。

 河尻氏 生態系を含めて市の地域資源を守っていく活動は大切で、市民活動を後押しする仕組みや拠点づくりが重要。後継者をつくる研修会も必要となる。

◆空き家対策が必要では?

 卒業した保育園や幼稚園が統合で使われなくなった。空き校舎や空き家、空き地の活用法を教えてほしい=宮﨑萌乃さん(17)。

 深田氏 (統合計画が持ち上がっている)善防中学校は自然環境が良く、近くの古法華自然公園も含め、キャンプ場やグランピングにも活用できる。

 河尻氏 (空き家問題について)地域で情報を集めて、親族や財産権を持っている人と粘り強く交渉するのが大切。

 高橋氏 跡地利用まで考えて統廃合をすべきだ。空き家や耕作放棄地の利活用には、国策として法律改正も必要ではないか。

◆明石よりも選ばれる子育て施策はあるか?

 加西市も「子育て支援5つの無料化」を行っているが、他の自治体でも同様の無料化施策があり、地方都市は不利。それ以外の人口増施策を聞きたい=前田莉汐さん(17)。

 河尻氏 加西は極端に昼間の人口が多く、働きに来ている人が多い。住みたいが宅地がないという人がかなりいる。住める場所を提供できることが優先順位として高い。

 高橋氏 市に貢献したい、住み続けたいという、たくましく心豊かな人材を育てなくてはいけない。産婦人科が無ければ(子どもを)増やす意識が戻ってこない。

 深田氏 教育レベルが高いことは、子育て世代から選ばれる大きな要素。子どもの選択肢を広げ、なりたい夢に近づけるよう、地道に教育に取り組むことが大切だ。

◆学校現場でのIT環境の充実は?

 都会と地方の情報格差を埋めるためにIT教育に力を入れる必要がある。どのような施策を考えているか=山下功祐さん(17)。

 高橋氏 IT教育を進めるには指導者が重要。一般の教員では難しく、専門の指導者を配置するべき。ITの技術を磨くには、数学や英語など基礎学力を身に付けることも大切だ。

 深田氏 新型コロナウイルスの影響で休校が続いたとき、ノートパソコンの1人1台配布や情報通信技術(ICT)支援員の学校配置を市議会で要望した。市の体制は整ってきている。

 河尻氏 市が実施するSTEAM(スティーム)教育では、子どもらが課題解決のために、主体的に情報を活用する意識が育っている。主体性を育むことがIT能力を向上させる。

(敏蔭潤子)

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