サッカーJリーグ1部(J1)ヴィッセル神戸の元スペイン代表FWダビド・ビジャ(37)が13日、神戸市内で会見し、今季限りで現役を引退すると発表した。今後は米国で立ち上げたプロサッカークラブ「クイーンズボロFC」の共同オーナーとして経営に参画するという。
加入1年目でチームトップのリーグ戦12得点を決めているストライカーは会見の冒頭、「この決断は長く考えてきた。神戸ではコンディション面でいいプレーができ、チームに貢献するゴールも決めている。ただ、サッカーではなく、自分の意志で引退したいと思った。今がそのタイミングと決断した」と語った。
神戸でのプレーについても「新たな国に来るチャンスを与えてくれて、自分、家族にとって体験できない体験をすることができた。自分にとって素晴らしい時間を過ごせている」と感謝し、「天皇杯優勝後に新たなスタートを切りたい」と、準決勝進出を決めている天皇杯全日本選手権でのタイトル奪取を誓った。
ビジャは昨年12月、ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で行われた神戸の昨季最終戦に来場し、入団が発表された。スペイン代表でも同僚だったイニエスタ、元ドイツ代表ポドルスキとの頭文字から「VIPトリオ」として注目を集め、ホーム開幕戦で来日初得点。左ふくらはぎのけがで離脱した時期もあったが、3試合連続得点を奪うなど円熟の決定力を披露し、今季のJ1では得点ランキング5位タイにつけている。
スペイン代表でマークした59得点は、同国の歴代最多記録。2010年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会ではイニエスタとともに母国を初優勝に導き、5得点で得点王にも輝いた。クラブでも世界的名門バルセロナ(スペイン)などで活躍し、神戸入りするまでは米国のニューヨーク・シティーFCに所属していた。(有島弘記)