国内のサッカーシーズンの幕開けを告げる富士ゼロックス・スーパーカップが8日、さいたま市の埼玉スタジアムであり、天皇杯全日本選手権覇者のヴィッセル神戸と、昨季Jリーグ1部(J1)王者の横浜F・マリノスが対戦した。神戸は3-3からのPK戦を3-2で制し、初優勝を飾った。
天皇杯初制覇からわずか38日。PK戦までもつれた横浜Mとの激闘を制し、再びイニエスタが優勝トロフィーを高々と掲げた。「素晴らしいシーズンにしたい」。アジア制覇をもくろむ神戸が最高のスタートを切った。
「プレッシングを基本に常に練習している。選手たちがうまく使い、ゴールにつなげてくれた」
フィンク監督の狙い通り、3得点は全て効果的なプレスからだった。ドウグラスの移籍後初ゴールとなった前半27分の先制点は、フェルマーレンのパスカットが起点。2点目は古橋、ドウグラスの両FWが連動した寄せを見せ、中盤まで出ていた相手GKとDFへの圧力から、古橋が無人のゴールにロングシュートを決めた。山口の3点目も、自身の出足鋭いボール奪取から生まれた。
一方、守備ではパスミスや相手スローインから攻略を許した。山口は「後ろを5枚でやっていて3失点はどうか。しっかりやっていかないとぼろが出る可能性がある」と苦言を忘れなかった。
収穫と課題が同時に出たが、神戸は昨季からの連勝を6に伸ばした。「スタイルを確立し、常に勝てるチームをつくっている途中。勝って(チーム力を)高めることに意味がある」とGK飯倉。黄金期を築く第一歩のシーズンが始まった。(有島弘記)









