有名選手の加入などで観客数を伸ばしてきたサッカーJリーグ1部(J1)ヴィッセル神戸が、コロナ禍で集客に苦戦している。Jリーグは9月末から観客数の上限を収容人数の50%まで引き上げたが、客足の戻りは鈍い。監督交代後に4連勝と勢いが出てきただけに、観客動員でもシーズン終盤戦の巻き返しを図る。(山本哲志)
9月30日に本拠地ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で行われた名古屋グランパス戦。入場者の上限を約7千人から約1万4千人まで引き上げて迎えた初めての試合だったが、平日夜ということもあり、4825人にとどまった。2月の開幕戦でチケットが完売し、2万5千人の大観衆が詰め掛けたことを思えば寂しい数字だ。
神戸のホーム平均観客動員はここ数年ほぼ右肩上がりを続けてきた。元ドイツ代表FWポドルスキ選手が加入した2017年は1万8千人台に乗せ、スペイン1部バルセロナからMFイニエスタ選手が加わった18年は一気に2万1千人超えを果たした。
元スペイン代表FWビジャ選手らが入った19年も同水準をキープ。さらにチケットの基本価格を上げ、入場料収入は前年比1・5倍の12億6千万円に上った。
だが、新型コロナウイルス感染拡大で状況は一変した。開幕戦後にシーズンが長期中断。7月の再開後は無観客試合を挟んで上限5千人が続いた。9月23日以降は上限約7千人、同30日から上限約1万4千人と段階を踏んで緩和してきたが、満席からは程遠い。
「感染対策を徹底しているが、リスクを考えて二の足を踏む気持ちは理解できる」とクラブ広報。監督交代までチーム成績が低迷した上、声を出して応援できないなどの制限も一因と言えそうだ。また、今夏の移籍期間はシーズン途中の選手補強が一人もなく、話題性が乏しかった。外国人の入国が難しい面も大きいが、ある関係者は「厳しい入場制限の下では、仮に有名選手を取ってもペイできないだろう」と漏らす。
苦境の中、チーム成績の好転は明るい材料だ。フィンク前監督退任後は3季ぶりの4連勝。クラブはこの機を捉え、勝てば次のホーム戦も観戦できる「連勝祈願チケット」や、テーブル、電源のある指定席で観戦前に仕事ができるチケットを売り出すなど、動員アップに知恵を絞る。今季のホームゲームは残り4試合。クラブは「少しでも多くのファンに現地で応援してもらいたい」と話している。
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■勝てば次も観戦可、Wi-Fi完備… ユニークチケット続々
J1神戸は、これまでもコロナ下でユニークな企画チケットを販売してきた。
現地の観戦チケット以外に、家で楽しめる特典付きのオンライン観戦チケットを発売。無観客開催だった7月のリーグ再開初戦は、10万円のVIPチケットが完売した。Jリーグで初となるドライブイン方式のパブリックビューイング(PV)も開催した。
今回売り出した、14日の大分トリニータ戦などが対象の「連勝祈願チケット」(4千円)は、大分戦からホームで勝ち続ければ、最大4試合が観戦できるという。試合前日にはリモートで必勝祈願も行う。
21日の鹿島アントラーズ戦が対象の「働き方改革!ワーケーションチケット」(5千円)は、Wi-Fiや電源コンセントを完備したテーブル付きの指定席で観戦前に仕事ができ、観戦と両立できる。(山本哲志)









