丹波

  • 印刷
タカブルカリーオーナーの松浦昂信さん(右)と妻の苑子さん=丹波篠山市郡家
拡大
タカブルカリーオーナーの松浦昂信さん(右)と妻の苑子さん=丹波篠山市郡家
うまみがぎゅっと凝縮された「無水チキンカリー」=丹波篠山市郡家
拡大
うまみがぎゅっと凝縮された「無水チキンカリー」=丹波篠山市郡家
スタイリッシュな雰囲気の店内=丹波篠山市郡家
拡大
スタイリッシュな雰囲気の店内=丹波篠山市郡家
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

 大阪で人気を集めたカレー専門店が、兵庫県丹波篠山市に店を構えた。10月末に同市郡家にオープンした「タカブルカリー」だ。メニューは、野菜の水分だけでじっくり煮込んだ「無水チキンカリー」ただ一つ。具材とスパイスが絶妙に溶け合い、うまみが凝縮したカレーを求め、大阪のリピーターも足しげく通う。カレー好きを自認する私も、その味のとりこになった1人。口に運ぶと、店名の由来となった「気持ちが『昂る(タカブル)』」こと、間違いなし。(谷口夏乃)

 「無水カレー」はパキスタン式のカレーで、日本では札幌市が発祥とされる。同市出身のオーナー松浦昂信(たかのぶ)さん(35)は、学生時代からカレーを食べ歩いてきた。趣味が高じて2018年、アパレル店員のかたわら、休日限定で「無水カレー」の店を大阪で始めた。

 19年7月から本業にしたが、新型コロナウイルス禍で営業が思うようにできなくなった。その頃、同県丹波市にいる友人の農業を手伝う中で、古里の北海道にはない田園風景に魅了された。子どもが生まれたのを機に、丹波篠山市に移り住んだ。

 店舗は空きスペースになっていた木材会館の2階。古びた外観とは違い、店内は白と黒でまとめられたスタイリッシュな雰囲気だ。大きな窓からは田園風景が望める。妻の苑子さん(33)は「景色を引き立たせるため、あえて空間を無機質にしました」と話す。

 昂信さんが独学で味を突き詰めた「無水チキンカリー」(1350円)は、2時間半ほどじっくり煮込んだ後、鉄鍋でさらに水分を飛ばす。ライスは「おなかにたまらないように」と、ぱらぱらとした食感が特徴の長粒米だ。

 素材の味をぎゅっと閉じ込めた繊維状の鶏肉からは、食欲をそそるオイルが染み出している。それを適度に吸ったライスと一緒に口へ運べば、スパイスの香りが鼻を抜け、圧倒的なコクと濃厚なうまみが広がり、辛さが後から追いかけてきた。副菜を混ぜたり、ニンニクと唐辛子の特製酢をかけたりして味変すれば、あっという間にお皿が空っぽになった。

 移転から1カ月。地元の人はもちろん、大阪でのファンも訪れてくれるとか。松浦さん夫妻は「大阪時代のお客さんも大事にしつつ、地域に根付き、みんなが過ごしやすい店にしたい」と話している。

 午前11時半~午後2時半。水・木曜定休日。不定休があるため、インスタグラムで確認を。テイクアウトもできる。同店TEL050・5317・2568

【バックナンバー】
希少な丹波栗のクリーム、生地はモチモチ「モンブラン・ガレット」 丹波篠山「SAKURAI」
本場仕込みのバリスタが注ぐ極上の一杯 丹波篠山市「カフェFika」
20代で始めた「朝活」が人生を変えた 心にゆとり生む至福の一杯はいかが? 丹波篠山「珈琲店 EQUATOR」
ルーの主役は淡路産タマネギ 煮込んだ牛すじとバランス絶妙 丹波篠山の篠山ビーフカレーTAKI
猛暑で疲れた体に染み渡る滋味 鹿肉カレーで「ジビエ」を身近に 丹波篠山・素滋食堂
スパイスで残暑一掃 五味と辛味が調和したスリランカカレー 丹波の「サカイヤ食堂」
見た目は通好み?黒豆茶のかき氷、甘さ控えめ大人の涼味 丹波篠山の小田垣豆堂
凍った牛乳ふんわり削り、桃やマンゴーのせて…「台湾かき氷」ひんやり堪能 丹波の松井ルーパオピン

丹波連載丹波
丹波の最新
もっと見る
 

天気(10月3日)

  • 27℃
  • ---℃
  • 70%

  • 27℃
  • ---℃
  • 60%

  • 27℃
  • ---℃
  • 60%

  • 27℃
  • ---℃
  • 50%

お知らせ