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【特集】神戸・教員間暴力

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■神戸の教育変わるチャンス 

 「教師という職業が怖くなった」

 弁護士によるコンプライアンス研修を受けた直後、中堅教員が見せたこわばった表情が忘れられない。神戸の学校現場では、実効的なハラスメント教育がほとんど行われていなかった。外の風を入れて変わろうとする流れを感じ取れた。

 取材では、教員の多忙化という言葉をよく耳にした。英語やプログラミングのほか、環境や防災など「○○教育」と言われる教科外の分野が増え、保護者対応ものしかかる。

 東須磨小では来春から地元住民が学校運営の一部を担う「コミュニティ・スクール」を導入する予定だが、先生の“助っ人”にとどまるのではもったいない。外部の声をうまく生かす姿勢が求められる。

 また、同小の教員間でこの問題を話す機会がないことも気がかりだ。教育委員会からも度々「(取材せずに)そっとしてほしい」と言われた。心に傷を負った教員が多いことは理解できるが、触れてはいけないこととして扱うのではなく、議論を重ねられないか。

 文部科学省の中央教育審議会が9月末に公表した中間まとめ案には、これまでの日本型学校教育を発展させた新しい教育が必要、と明記された。最悪の事態に陥った神戸だからこそ、変わるチャンスにしてほしい。

(報道部・斉藤絵美)

■再生へ「あの時」語り合って

 「こんにちは!」。東須磨小学校の職員室前の廊下を通って下校する児童の姿に、胸のつかえが取れた気がした。

 「先生が、先生をいじめている」との情報をつかんでこの1年取材を続けてきたが、校舎を訪れるのは先月が初めてだった。

 子どもたちへの影響を最も心配していた。どれだけ心がけていても、取材活動は学校や教員に負担を強いた。稚拙な加害行為が明らかになるにつれ、非難は学校と市教委に集中した。電話回線はパンクし、取材陣が学校に押し寄せた。「悪ふざけだった」と加害教員の1人は弁明したが、代償は大きかった。「心が折れた」と話す教員もいた。

 「今春の着任以来、事件の話が職員室で話題になったことはない」と小山光一校長は語った。傷痕は児童ではなく、教員の心に残っているように見えた。

 口に出すことで崩れてしまうような教職員の関係性だとしたら心もとない。それに“タブー”にしてしまうのは再生のチャンスを自ら逸しているのではないか、と感じる。時間がたてば、話し合えるようになるものなのだろうか。

 「あの時」をもう一度掘り起こし、教員間で話し合うには、何がきっかけになるのだろうか。真の学校再生は、その先にあるはずだ。

(報道部・井上 駿)

2020/10/8
 

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