3グループに分かれ討議─小学生から社会人までの15人
姫路の未来について若者らが考えるタウンミーティング「ひめじ創生カフェ」(姫路市主催、神戸新聞社共催)のまとめとなる「第2回深掘りフォロー会議」がこのほど、姫路市本町であった。小学生から社会人の15人が3グループに分かれて姫路の活性化策を意見交換。ゲーム方式で発表が行われるなど、楽しみながらまちの将来像を考えた。
やりたいこと、ゲーム方式で形に
2016年に市が策定した「ひめじ創生戦略」を進める上で、若い世代の声を反映させる狙い。4年目となった今年は、8月に「近未来のひめじで実現したい『コト』を描こう」をテーマに約100人がワールドカフェ形式で語り合った。10月には、そこで提案された意見の中から「くらし」「活性化」「イベント」について具体的に話し合う「第1回深掘りフォロー会議」を開催。今回はゲーム方式で自分たちのやりたいことについて深掘りを進めた。
にぎわい創出懸け“総選挙”─“委員候補”が「公約」発表
ゲームは「総選挙」で、「姫路市内のある商店街でにぎわいづくりのための委員会を結成する」との設定。「グルメ・買い物・イベント」「利便性・情報発信・話題性」「スペース活用・働く機会・商店街のデザインや景観」の3群からテーマを組み合わせて、実現したいことを各グループで議論。発表者は「委員候補者」としてたすき姿でマイクを持ち、当選したら実現に向けて取り組むことを「公約」として説明した。
▽ゆかたまつり来場者3倍に
荒木龍晟さんは「関西最大規模のファッションショーに取り組んで、『姫路ゆかたまつり』の来場者を3倍に増やします」と数値目標を入れて発表。姫路市出身のモデルらに出演してもらうほか、畳のランウエーを設けて話題性を創出。伝統的な浴衣などを展示して、商店街の景観も和で統一するなどの案を示した。
▽本が姫路を変える
「本こそが姫路を変える」をテーマに話したのは出口智佳さん。月別テーマでお薦め本を月1回持ち寄って店舗の軒先に並べるほか、空きスペースなどを活用して本の常設展やイートインコーナーが開ける場所を設置すると発表した。姫路のチームに所属するスポーツ選手や姫路に詳しい有名ブロガーらに本を持ち寄ってもらうことで、発信力を高めたいとした。
▽名物を串に刺し食べ歩き
南智貴さんは「姫路のすべてを味わえる『kushi』で姫路の街を明るくします」と発表。姫路名物を串に刺し、駅から城まで食べ歩きできるようにするアイデアで、「姫路の全高校生が交代で運営するため従業員数の多さ、平均年齢の若さで話題性抜群」とアピール。「高校生が商店街オーナーや外国人と交流し、ごみ拾いをして景観にも貢献する」などとユニークな演説を繰り広げた。
姫路市地方創生推進室の福田宏二郎室長は「地方創生施策の最先端を行き、国に対して提案できそうな素晴らしいアイデアばかり。姫路にとどまらず国、世界全体に関わる先進的な活性化策が生まれた」と講評。神戸新聞社地域総研の西栄一副所長は「街づくりは街を面白がることが大事。それが街への愛着や発展につながる。身近でできる小さなことから取り組んで、姫路をもっと面白い街に」と期待を込めた。
2019/11/29