■深掘りフォロー会議
「カフェ」で出た16のアイデア 3班に分かれ実現策討議
若い世代の人たちが姫路のまちの魅力を探り、将来なりたい姿についてアイデアを出す「ひめじ創生深掘りフォロー会議」(姫路市主催、神戸新聞社共催)がこのほど姫路市内で開かれた。中学生、高校生、社会人の計12人が参加し、三つの班に分かれて意見を交わし、まとまった案についてイラストなどを交えて発表した。
中高生と社会人12人参加
8月に開かれた「ひめじ創生SDGsカフェ」の議論を通して出てきた16グループのアイデアを「観光推進」「学び・教育の推進」「地域のにぎわい創出」の3テーマに分類し、さらに掘り下げ実現可能な案にする目的で開かれた。
冒頭あいさつに立った姫路市の石原智弘地方創生推進室長は「10年後、20年後に姫路で暮らしていただくために、身近なことから考え、行政を活用して実現してほしい。若い方がまちづくりに参画しアイデアが実現できるまちを目指し取り組みを進めていきたい」と開催の思いを述べた。
会議はテーマごとに三つの班に分かれて「カフェ」で出された案の中からどこにポイントを絞り、掘り下げていくかを決めた。そのうえで「掘り下げたポイントをどう具現化するかアイデアを示す」「どのようなメリットを感じそのポイントを選んだか」「それを実践するうえでの問題点とその解決方法について」を話し合い、3枚の紙に書き分けた。各班の机にはフェルトペンや色鉛筆が置かれ、伝えたいポイントを強調したり、イラストを活用しながら書き込んでいった。
このあと各班でまとめた具体案について発表が行われた。
石原室長は「私たち行政の担当者では思いつかないアイデアが出てきた」と講評。出されたアイデアは今後の市の施策づくりに生かしていく。
▼SNSに世代別マップ
1班(観光推進)は「姫路高校生マップを作成する」を深掘り。「一般市民だからこそ知っている地元ならではの魅力が発信できる」という視点に着目し、「高校生だけに限らず世代別で観光マップを作成し、これをSNS(会員制交流サイト)で発信する」という具体案を示した。マップの活用により「リピーターや宿泊客の増加につながる」メリットを示し、その具体的な実現方法については「地元の学校やお店などに情報発信の協力をお願いする」ことなどを挙げた。
▼地元企業の体験ツアーを
2班(学び・教育の推進)は「自然に触れる体験学習」と「地元企業とのコネクションづくり」を深掘りポイントとした。
この二つを同時に実現するアイデアとして地元企業での体験学習を盛り込んだツアーを提案。ツアーによって市外の若者に姫路の魅力を知ってもらうとともに、市内の企業への就職につなげるメリットも強調。学校行事の一つとして実施する方法や、採用につなげたい企業が資金を負担するアイデアも披露した。
▼空き家をギャラリーに
3班(地域のにぎわい創出)は「姫路市内の空き家を買い取って改装する」に焦点を当てた。その具体案として「陶芸家、画家などの美術家や、伝統工芸の職人から作品を募集し展示および販売を行うギャラリーにする」というアイデアを披露した。「姫路市の作家の知名度が向上し、ワークショップを開くことで人々の交流が活性化する」とメリットを挙げ、改装資金は募金でまかない、SNSやチラシ、メディアなどを活用して広く知ってもらう案を示した。
2020/11/29