いよいよ、25年ぶりとなる日本シリーズを戦うオリックス・バファローズ。その球団歌「SKY」は合併以来、長くファンに愛されてきた。作詞作曲・演奏するロックバンド「MEGA STOPPER(メガ ストッパー)」のギタリスト、244さん(48)=つよしさん・尼崎市=が、曲が誕生した当時の思い出やチーム、ファンへの思いを語った。
野球の球団歌といえば「六甲おろし」(阪神)、「闘魂こめて」(巨人)など、落ち着いたテンポの合唱曲らしいものが一般的。ところがSKYでは前奏から力強いギターやサックスの音が響き、軽快なロックサウンドを奏でる。
2004年にブルーウェーブと近鉄が合併し、誕生したオリックス・バファローズ。ユニフォームなどはブルーウェーブのデザインが受け継がれたものの、球団歌は公募して一新されることになった。MEGA STOPPERは大阪を拠点に活動し、全員が野球好き。244さんもかつて阪急ブレーブスのファンだったという。所属していたレーベルからバンドにコンペ参加の打診があり、作曲に取りかかることに。球団歌をロックバンドが作るという前例のない取り組みだったが、244さんは「曲ができた瞬間から間違いなく選ばれる、と自信がありました」と振り返る。歌い出しはこうだ。
♪君の声よ遥か届け 夢追い人が行く
虹の上架かるアーチ 明日を拓くだろう
一雫だけの雨が 大河を映すように
白いボールよいざなえ あの空の彼方まで
「行け」「勝て」と直接的に応援する言葉ではなく、野球好きのMEGA STOPPERだからこそ表現できる、壮大な情景描写を取り入れた。球界再編という荒波を乗り越えた球団の歴史をふまえ、2番では「♪北に風 東に嵐 南覆う雲も 西に木枯らし荒れども 君は行けるだろう」という詞を盛り込んだ。
見事担当者の目にとまってコンペで選ばれ、05年から球場でかかるように。7回の「ラッキー7」のほか、勝利した後にもファンが合唱する定番曲となった。球場での試合前イベントで生演奏する機会も多く、みるみるうちにファンに浸透していった。SKY以外にも、「PLAY BALL」「calling」などチームの演出にかかわる曲を多く手掛け、親しまれてきた。
ちなみに、本拠地京セラドーム大阪やほっともっとフィールド神戸だけでなく、全国のビジター球場でラッキー7に流れるSKY。MEGA STOPPER は06年にボーカルが脱退し現在のDOMIさんに代わっているが、「福岡PayPayドームだけ、いまだに前のボーカルのSKYが流れてますよ」と、244さんが笑いながら豆知識を教えてくれた。
今年の11月12日。オリックスはロッテとのクライマックス・シリーズを制し、25年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。京セラドームに大音量のSKYが鳴り響き、選手がチャンピオンフラッグを持って、スタンドのファンに手を振りながら場内をまわった。ツイッター上では「やっぱりSKYは名曲」「SKYが流れる中で選手が場内一周する姿が一番泣けた」と、SKYに絡めた反応が目立った。
「やっぱり自分たちの曲をこれだけたくさんのファンが歌ってくれて、愛してくれていることには感謝しかない。バンドマンとしての誉れですよね」と話す244さん。球場に足を運ぶたび、SKYで盛り上がるファンを見てうれしい気持ちになるという。「ファンの皆さんが喜んでいる姿を見たい」と、さらなるチームの快進撃に期待を寄せる。
(まいどなニュース/神戸新聞・小森有喜)
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