捨てられた4匹の子猫との出会い 心を奪った“困り顔”の子が家族に──「ご褒美をもらっているような毎日」
Xユーザー・コハちゃん(@KOHAKU_CHACHA)さんは、2024年5月16日、自宅の敷地内に小さな段ボール箱が置かれているのを見つけました。不思議に思いつつ、中をのぞくとーーそこには4匹の子猫たちが。弱々しくじっとしていたといいます。その中の1匹が「おこげ」ちゃん(1歳・女の子)でした。
■敷地に放置されていた小さな命たち
「子猫たちは4匹いました。生後推定7週目ほどで、とても衰弱し、歩くのもやっとという状態だったんです」
すぐにミルクと哺乳瓶を用意しましたが、うまく飲めません。獣医師に見せると「普通のフードで大丈夫」と言われ、子猫用の缶詰を与えることに。
「一番小さな未熟児のような子が食べてくれて、あとの子たちはそれが食べ物だとわかっていない様子でした。でも次の日には4匹とも食べられるようになり、それからはすごい勢いで食べてくれました」
先住猫が2匹いたため、4匹すべてを迎えるのは難しい状況でした。
「知り合いや知人のつながりを頼って里親を探しました。Xでも『迎えたい』とたくさんのメッセージをいただきましたが、できれば顔のわかる方に託したいと思っていました」
里親は早い段階で決まったものの、日々一緒に過ごすうちに心境は揺れ動きました。
「兄妹が仲良く遊ぶ姿を見ると、バラバラにするのがかわいそうで…。それに引き渡しまでの時間が長かったため、すっかり情が移ってしまったんです。一人一人がもらわれていくたびに、心が締め付けられるような寂しさを感じました」
■目に焼きついた“困り顔” 家族に迎えたのはおこげちゃん
そんな中で家族に迎えたのが、おこげちゃんでした。
「保護時に1人だけ焦げたような毛色で目立っていて、『あたし、どうしましょう』という困った顔で私をジィーっと見てきたんです。その姿が印象的で、うちでお世話したいと思ってしまいました。主人も猫好きで、家族の反対はありませんでした」
ただ、新しい生活は簡単ではありません。
「先住猫たちは威嚇して、最初は歓迎してくれませんでした。おこげを傷つけないか心配で隔離していましたが、様子を見て本気で攻撃していないと感じ、思い切って同じ空間で過ごさせることにしました。オヤツの時間を一緒に楽しむなど工夫していくうちに、少しずつ慣れてきました」
とくに先住猫の「コハちゃん」のことを、おこげちゃんはとても慕っています。
「抱きついたり、お庭から帰ってくると匂いを嗅いだりしています。コハちゃんは迷惑そうにシャーっとしますが、おこげは平気。片想いですが、いつか受け入れてくれるといいなと思っています」
■甘えん坊に変化した今 「大好きだよ」と伝えたい
おこげちゃんは4兄妹の中でも慎重で、人に懐くのに時間がかかりました。
「他の子たちは膝や肩に乗ってきましたが、おこげだけは少し離れたところから見ている感じで、喉を鳴らすこともありませんでした」
転機は一緒に暮らし始めてしばらく経ったある日の夜でした。
「夜中に布団に入ってきて、ゴロゴロと喉を鳴らしたんです。本当に嬉しかったです。それからは甘えん坊全開で、行くところ行くところついてきますし、座れば膝の上から離れません」
今では韓国ドラマや猫動画を一緒に楽しみ、帰宅すると玄関まで迎えてくれる存在に。ただ、臆病な性格は今も健在です。
「私と夫以外にはなつかず、知らない人や息子が来ると一日中隠れて出てきません」
出会いを振り返ると、当初の怒りは今や感謝に変わっているといいます。
「確かに敷地に放置されていたことは腹立たしかったです。でもお世話をするうちに、毎日が幸せで、ご褒美をもらっているような感覚でした。子猫たちのじゃれ合いは何時間見ても癒しで、一生続けばいいと思ったほどです。縁あっておこげを迎えることができました。これからもずっと一緒にいたい。大好きだよ、と伝えたいです」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)