自分の身体についてコンプレックスを持っている人は多いはずです。中でも身長は多くの人の悩みの種となっていることでしょう。X(旧Twitter)に投稿されたコンテくんの作品『男子校の生態』では、身長156cmという低身長ながらポジティブに生きる作者の実体験が描かれています。
作者は小さい頃から背が低く、体操服や野球のグローブ、自転車までおさがりとしてもらっていました。ある日、クラスメイトから中学生のときの制服をもらいます。中高一貫校に通っていたため、同級生が中学のころに着ていたおさがりを利用し、自身の制服のサイズアップをおこなっていたのです。
その様子を見ていた別の同級生は、興味本位で作者がこれまでもらってきたおさがりを尋ねます。
1つめのおさがりエピソードは、作者が中学生のころの話でした。作者が高校校舎を通っている時、かっこいいTシャツを着た先輩に遭遇します。作者は友人と「あの先輩のTシャツかっこいいね~」と話していると、それを聞いていた先輩は、その場でTシャツを脱ぎ、「チビちゃんにあげるよ~」と言って作者にあげるのでした。
その他にも、演奏会用の靴をもらったり、「着る機会が少ない服」としておさがり業界で人気の柔道着をもらったり、充実したおさがりライフを楽しんでいるようです。
年を取れば体重は変わるし髪の量も減りますが、身長は変わることがありません。だからこそ、コンテくんは「背の低さを『コンプレックス』にするか『最大の個性』にするかは自分次第」と考えています。
なかには背の低さでいじわるする人もいたようですが、それでもコンテくんは背の低さを『最大の個性』として学園生活を楽しんでいたようです。そんな同作の作者・コンテくんに話を聞きました。
■身長が低いからこそいろんな人間の部分が見えてくる
-学生時代からご自身の身長についてネガティブに感じることはなかったのでしょうか。
周りにはとても恵まれたので、近しい同級生・先輩・後輩とは仲良く過ごせて、自分の身長をネガティブに感じることはなかったですね。
ただそれ以外だと、小学生の時に他校の子から背が低いという理由で嫌がらせされたり、男子校時代では他校の女子高生に「ちっちゃ!女々しい!きも!」と言われたり、就活の面接で「君はチビだから体弱いよね。うちは忙しいから、ここで落とすね。」とかはありましたね。それをネガティブに感じるというより「世の中こんなステレオタイプな嫌な人いるんだ…」と人間観察好きとしてはなかなか香ばしい面々に出会えて、ある意味面白かったです。
背が低いおかげで、人間のいろんな部分が見えて勉強になりました。そういうのもひっくるめて、いつか漫画にして、元を取ろうかなと思ってます笑。
-作品で描かれてた以外にも、これまで印象に残っているおさがりはありますか。
印象的なおさがりは漫画に描いてある通りなんですが、昔部活の筋肉ムキムキの先輩から「俺のいらなくなった筋トレ教本いる?」と聞かれて、それは丁重にお断りしました…笑
-最後に、読者の皆様へメッセージをお願いいたします。
この漫画を通して、おさがり業界の漫画を描けて楽しかったです。背が低いことに対してポジティブなことやネガティブなことがあるかもしれませんが、これからもちょくちょく背が低いエピソードを自分なりに描いていこうと思うので、読んでもらえたら嬉しいです!
(海川 まこと/漫画収集家)