広島にあるペット保護・譲渡活動を行うピースワンコ・ジャパン(ピースワンコ)は、これまで広島県内の殺処分対象の犬を引き取り、過去7000頭以上を助けてきた団体です。「ドリームボックス」という犬の殺処分機の稼働を止め、日本全国の犬の「殺処分ゼロ」の実現を目指しています。
同団体には様々な事情を持つ保護犬を引き出していますが、ある日、後肢が使えない状態で保護された犬がいました。来た当時推定2歳男の子で、名前はボンジョヴィ。後肢を引きずって移動していたせいか、腰に床ずれがあり、右大腿部にも傷がある重篤の状態でした。保護されていなければ殺処分対象になっていたであろうワンコです。
■痛みやストレスのせいか、人の顔を嚙みつこうとしたことも
ピースワンコに来たばかりの頃のボンジョヴィは後肢が動かないことで、自分の力では排尿も難しい状態でした。また、その痛みが強するためでしょうか、人が触れようとすると嫌がって人に噛みつこうともします。しかし、スタッフは少しでも体の痛みがなくなり、健康状態を取り戻せるようにと、日々の様子、食事や排泄の様子などを細かく観察しながら根気よくお世話を続けることにしました。
動物病院の方に教えてもらった、「後肢をゆっくり曲げたり伸ばしたりするマッサージ」も毎日実施。ボンジョヴィが嫌がったらいったんヤメて、時間を開けて再開します。マッサージは合計30分ほどですが、このため1日に複数回行うこともありました。
■懸命にケアし続けた結果、まさかの奇跡が
前述の通り、ボンジョヴィは排泄も不自由なことからスタッフが手伝ってあげようとするのですが、それも嫌がりときに噛みついてくることもありました。もちろん、治療の注射も嫌いで、その気配を察知するとブルブル震えたり、怒ったりすることもありました。
それでもスタッフは諦めず、懸命にケアをし続けました。
すると、少しずつではありますが、嫌がる様子が減っていき、最後には自分の足で立ち上がり、しっかり歩けるようになりました。まさに奇跡の瞬間でした。この姿を見たスタッフは目頭が熱くなりました。
■譲渡が難しい保護犬も、命を1秒でも長く全うしてもらえるようケアし続ける
以降、ボンジョヴィは見違えるほど回復し、今では他のワンコと一緒に遊んだり、お昼寝したり穏やかに過ごすことができるようになりました。
ただし、こういった体の不調を持つ保護犬、老犬の保護犬は新しい里親さんへの譲渡対象にはなりません。しかし、ピースワンコではこういった譲渡難の保護犬であっても、その命を1秒でも長く全うしてもらえるよう団体の施設でファミリーとしてお世話し続けています。その活動に裏打ちされた思いは「保護犬の譲渡活動を通じて『犬猫の殺処分ゼロを目指す』」というものです。
その献身的な活動とワンコたちの笑顔は、ピースワンコの公式動画でも見ることができます。ぜひチェックしてみてください。
(まいどなニュース特約・松田 義人)
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