賃貸マンションの退去費の見積りで、12万円超という費用を請求され、見事1通のメールで2万円台に見直してもらった男性がいる。ぼったくられそうになったのは、ハウスクリーニング代の9万2千円。法律や条例を調べて、管理会社に論理的なメールを送ることで払わずに済んだ。男性は、テレビ番組になぞらえてユーモアたっぷりに言う。「メール1本で撃退。スカッとJAPAN」
男性は、東京都に住む会社員上山晃寿さん(26)。コンサルティングの会社で、営業の仕事をしている。住んでいたマンションは、広さ93平米の3LDK。友人ら男3人で2年間暮らしていた。
立ち合いを終え、退去費の見積書がメールで送られてきたのは8月29日。12万円は高すぎる-。違和感から退去費について調べ始め、見つけたのが、退去時に借りた側が支払う「原状回復費」の定義だ。国交省が作成した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、借りた人は故意や過失でできた傷や損傷にのみ責任を負うとされる。例えば、家具を引きずって床にできた傷や、たばこの喫煙によるヤニが付着などだ。一方、通常通り使っていてできた傷の修理は家主負担になるという。ハウスクリーニング代も、貸す側の負担が妥当だとされている。
しかし、貸す側は契約書を結ぶときに「例外としての特約」を結び、ハウスクリーニング代などを借りた側に負担させることができるという。そこで上山さんが着目したのが、過去の最高裁の裁判判決だ。2005年12月16日の敷金返還請求事件。判決では、特約が有効となるための条件が示されており、その一つに費用負担の金額が明確にされていることが必要とされた。具体的には「ハウスクリーニングは借主負担とする。なお当該費用は一律3万円とする」といった金額の文言だ。上山さんの契約書には、書かれていなかった。
メールでは、原状回復費や裁判判決を例に「法的拘束力も持ちません。ハウスクリーニング費用はお支払いできません」と淡々と説明。すると後日、管理会社から返信があった。「協議の結果、ルームクリーニング費用は貸主様負担とさせていただきます」。あっさりとした引き下がりだった。上山さんは「管理会社もお金を取れたらラッキーくらいの気持ちでやっているんじゃないですかね。友達も安くなって驚いていた」と話した。
国民生活センターには賃貸住宅の敷金・原状回復のトラブルは毎年1万2千件前後の相談が寄せられているといい、最近の事例なども紹介している。
(まいどなニュース・山脇 未菜美)
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