広島にあるペット保護・譲渡活動を行うピースワンコ・ジャパン(ピースワンコ)は、これまで広島県内の殺処分対象の犬を引き取り、過去7000頭以上を助けてきた団体です。「ドリームボックス」という犬の殺処分機の稼働を止め、日本全国の犬の「殺処分ゼロ」の実現を目指しています。
2020年6月、同団体が愛護センターへ複数のワンコを引き出しに行った際、1匹の子犬がこちらをじっと見つめていました。この犬の名はリチャード。ガリガリにやせ細っており、皮膚疾患もあるようです。また、「僕これから殺されちゃうの?」と言わんばかりの恐怖からか、腰が抜けてあぐらをかいた状態で、こちらをジッと見つめていました。
■容体を注視する必要がある
ピースワンコが愛護センターなどで引き出した保護犬は、まず検疫犬舎に入ります。通常ここで1か月程度過ごし、その後シェルターで人馴れトレーニングを行いながら過ごします。
検疫犬舎では1匹1匹、獣医さんが引き取られたワンコたちを診ていきますが、リチャードももちろんその通りに診察を終えました。診察終了までずっと心配していたスタッフが獣医さんに尋ねると、こう返ってきました。
「すぐに命に別状があるわけではないですが、かなり弱っており、しばらくは容体を注視する必要があります」
なんでもリチャードは心臓病の持病があると言います。獣医さんからの助言を受け、スタッフは懸命にリチャードをケアし続けました。それから3週間以上経った頃より、体重が増え始め少しずつ回復。皮膚疾患こそ時間がかかったものの、飛躍的に健康状態に近づいていきました。リチャードはあどけない子犬の表情が残るものの、やがてピースワンコにいる他のワンコたちとも仲良く過ごせるようになりました。
■「病気を持つワンコをあえて飼いお世話したい」
また、完全に健康を取り戻し、心身ともに元気になったリチャードは、仔犬らしく人のズボンの裾を引っ張って遊びに誘ってくることもありました。その表情は、愛護センターから引き出したときの、怯えるような目とはまるで違い、キラキラとした笑顔。その笑顔を見たスタッフは、何ものにも代えがたい喜びを感じたと言います。
リチャードには相変わらず心臓病は持病としてあります。しかし、「病気を持つワンコをあえて飼ってお世話をしたい」という心ある里親さんが見つかり、新たな犬生をおくることになりました。
さまざまな環境を乗り越え、幸せをつかんだリチャード。新しいおうちでもたくさん遊んで、のんびり甘えて、楽しい毎日を送ってくれることを願うばかりです。
(まいどなニュース特約・松田 義人)
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