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坂をのぼれば

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山陽須磨駅の西側。高架下から住宅街へ続く 大きくカーブする辺りの急勾配は、前に進むのも一苦労だ(撮影・辰巳直之)
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山陽須磨駅の西側。高架下から住宅街へ続く 大きくカーブする辺りの急勾配は、前に進むのも一苦労だ(撮影・辰巳直之)

■最高勾配 42.6% 山陽須磨駅の西側。高架下から住宅街へ続く

 山陽須磨駅西側。地元の人たちに親しまれる「きつね坂」の愛称は、タクシー運転手に告げても通じるほど浸透している。

 なぜ、きつね? かつてこの坂の下に住んでいた男性(84)=加古川市=がお便りで教えてくれた。1867(慶応3)年生まれの祖母から70年以上前に聞いた話だという。

 いわく、「わしが小さいころは、家の近くまでキツネが坂を下りて来とった。それできつね坂なんや」。なんともシンプルな理由。まさか本当にキツネがいたとは。名前の主が住んでいた坂の北側は当然、きつね山と呼ばれていた。

 下から上がって左に大きくカーブする付近の勾配は何と42・6%。神戸に急坂数あれど、今回巡った坂の中では最高の値だ。

 森本さんは思い出が詰まった坂をいとおしむ。「歴史ある名前をずっと残してほしい」。急坂には郷愁を誘う何かがある。(上田勇紀)

2018/6/28
 

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