
関連年表
200人超の小作人たちが小舟に乗って稲刈りをしていた。後に加古川飛行場ができる加古川市尾上町。沿岸部に田んぼが広がり、地元の小学生だった田中郁子(90)=神戸市=は、台風のたびに高波が寄せてきたのを覚えている。
1933年12月、今の天皇陛下が生まれた。「集落はどこも提灯行列でした。山車(だし)の後ろで『うれしやランランラン…』と手真似で踊って、平和な時代の最後の思い出です。飛行場ができたのが、戦争の記憶の始まり。大人たちがざわつき始め、親族でも出征が増えていきました」
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