新ひょうごの医療

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神戸市須磨区の会社員の男性(46)は昨春、喉頭がんの手術を神戸大病院耳鼻咽喉・頭頸部(とうけいぶ)外科で受けた。声が出にくい状態が1年以上続き、近くの耳鼻科を訪ねたことが診断のきっかけだった。喉の奥に小さなできものがあり、同市立医療センター西市民病院に転院。1週間後には神大病院を紹介され、精密検査を受けた。がんは喉頭がんの一つ、声門下がん。分泌腺にできる珍しい腺様嚢胞(せんようのうほう)がんだった。
大きくなる速度は遅いが、放射線治療は効きにくい。主治医の同大助教、四宮弘隆さん(35)は、声帯を含め喉頭を全て切除する手術か、負担の少ない放射線治療かを提案。手術の方が完治の可能性は高いが、食道発声▽電気喉頭▽シャント発声-といった代用音声が必要になる。男性は「小中学生の子ども2人の成長を見たい」と手術を選んだ。
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- シリーズ5 がん診療最前線Ⅱ
2017/1/7~2017/1/28
がんは条件次第で治せる時代になった。手術や薬物・放射線療法などは進化を続け、患者はさまざまな選択肢を持てるようになった。「新・ひょうごの医療」のシリーズ5では、シリーズ4に引き続き、がん診療の最前線を紹介する。

