新ひょうごの医療

新型コロナウイルスのワクチン開発で陣頭指揮を執る大阪大学微生物病研究所の松浦善治教授=大阪府吹田市山田丘
大阪大学微生物病研究所(大阪府吹田市)は、日本を代表する感染症研究の拠点だ。同研究所の松浦善治教授は、全国約2千人の研究者が籍を置く「日本ウイルス学会」で理事長を務め、新型コロナウイルスのワクチン開発に全力を挙げる。通常、ワクチン開発は10年超。スピードアップを求める声は大きいが、松浦氏は「どんなに急いでも最低1年半。健康な人に打つ注射だからこそ、安全性には慎重さが要求される」と話す。
今回のウイルスが「新型」と称されるのは、既に多くのコロナウイルスが知られているためだ。そのうち4種類は風邪のウイルスに分類され、大半の人が幼少期までに免疫を獲得している。新型コロナは、重症急性呼吸器症候群(SARS)と中東呼吸器症候群(MERS)と同じグループで、一部で重篤な症状をもたらすが、「新型」なので免疫を持っていない。
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- 新型コロナとの闘い
2020/5/2~2020/5/2
世界の医療現場が、新型コロナウイルスの治療薬を切望している。だが急激に感染拡大が進む現状に、従来型の薬剤開発を待つ余裕はない。抗インフルエンザ薬「アビガン」など、他の用途で開発された薬を代わりに使えないか臨床試験(治験)が始まっているが、現時点で「100点満点の薬はない」との指摘もある。(霍見真一郎)

