十七日午前五時四十六分ごろ、近畿地方で直下型地震があり、神戸と淡路島の洲本で震度6(烈震)、京都、彦根で震度5(強震)、舞鶴4(中震)を記録するなど、関西から東海、関東、九州の広い範囲で強い揺れがあった。その後も奈良で震度4(中震)を記録するなど余震とみられる地震が断続的に続いた。警察庁によると、午後八時四十五分現在、死者千三百十一人、行方不明千四十八人、負傷者は十四府県で四千二百四十一人に上り、都市型地震としては戦後最大級の震災となった。
神戸市、淡路島など兵庫県を中心に八千棟以上の建物が倒壊などの被害を受け、高速道路も一部が崩れ、各地で発生した火災は夜になっても燃え続けた。JR東海道・山陽新幹線が橋げた落下で止まるなど交通網にも大きな被害が出たほか、停電、断水が相次ぎ都市機能は完全にまひ、市民は余震におびえながら不安な夜を過ごした。
多数の人が建物の下敷きになって閉じ込められているもようだが、道路が寸断されているため救助作業は難航した。今後、時間がたつに従い死傷者の数はさらに増える見通しだ。
政府は同日午前、非常災害対策本部を設置。壊滅的な被害を受けた神戸市などに災害救助法の適用を決め、小沢潔国土庁長官を団長とする政府調査団を現地に派遣。激甚災害に指定の方向で検討に入った。警察庁、運輸省など関係省庁もそれぞれ対策本部を設け、災害の調査、救助作業に全力を挙げている。防衛庁は陸上自衛隊と海自の艦艇八隻を現地に向かわせた。
気象庁によると、震源地は淡路島で震源の深さは二十キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7.2と推定。気象庁は「平成七年 兵庫県南部地震」と命名した。関西の大規模地震は千三百人以上の死者を出した一九四六年の南海道地震(M8.0)以来で、約三千七百人が犠牲になった四八年の福井地震以来の大災害となった。気象庁は今回の地震について、淡路島北部の深さ約二十キロにある断層の横ずれが生じて起きた可能性が大きいとしている。
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各地の震度は次の通り。
震度6(烈震)神戸、洲本
震度5(強震)彦根、京都、豊岡
震度4(中震)岐阜、四日市、伊賀上野、津、福井、敦賀、舞鶴、奈良、和歌山、大阪、姫路、福山、岡山、呉、高松、徳島、津山、高知、多度津、鳥取、境港
震度3(弱震)飯田、諏訪、富山、輪島、金沢、伊良湖、名古屋、尾鷲、潮岬、広島、室戸岬、松山、松江、米子、西郷、萩、山口、大分
震度2(軽震)横浜、甲府、河口湖、三島、御前崎、静岡、浜松、軽井沢、長野、松本、高田、高山、伏木、宇和島、下関、佐賀、熊本、人吉、日田、都城、宮崎、宿毛
震度1(微震)小名浜、前橋、宇都宮、水戸、熊谷、秩父、東京、千葉、館山、網代、新潟、足摺、浜田、福岡、延岡、平戸、阿蘇山、鹿児島